先日居留地時代のジオラマを見に行った時に開催されていた山本二三展について、少し書いておこうと思う。山本氏は、日本のアニメを世界に通用するレベルに押し上げた作家の一人である。精緻で美しい画は、ある意味セル画より価値がある。老若男女多くの人が観に来ていたが、ほとんどの人が感動とともにどうして、こんなふうに描けるんだろうと思っているようであった。私の実力を見ないで信じてくれと言っても難しいと思うが、私は描けないことはないと思った。最近画を描かなくなったから正確に言うと以前の私になら描けたと言うほうが正しい。だから、一般の人とは明らかに観かたが違う。私と山本氏との大きな差は完成するまでに要する時間・・・同じ画を描くのにおそらく私は描き始めから完成までに彼の5倍の時間がかかるだろう。そして、資料収集力・・・一枚の画を描く前に必要な情報を得るために費やしている労力が半端ではない・・・というところを観た。 すべての作品は、氷山の一角であり、普通の人には見えない隠れた部分のほんの少しの頂き部分に過ぎない。私は作品そのものより、作家がどんな人格で、作り上げる途中でいかにもがき、何を考えたかに興味がある。ある人が“作品は作家のウンコだ・・・”と言った人がいたが、ある意味正しい捉え方に違いない。以前私は名の知れた建築家に質問をした。「今までに設計した建築物で自分でもっとも納得できるものは何ですか」即座に答えが返ってきた。「今、つくってるやつ・・・」 作品を通じて人間としての作家そのものを感じることが私には有意義に思う。 さて、私の実力がどんなもんだと疑問を持たれた方もおられると思うが、もし知りたい方がおられたら、なんらかの手段でお見せしたいと思う。 私は、大嘘つきかもしれませんなぁー はーっはっはっ・・・ |