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SOLILOQUY

ひとりごと

 
June 12, 2010 21:50:22

片手

カテゴリー: 日記
昨日、昨年の暮に続き第二回目のある発展途上国支援のチャリテーィーパーティーがあった。相変わらず大使は来られず、代わりに送られてきた英語のメッセージが代読された。続いて、ピアニスト 智内 威雄 氏のミニコンサートがあった。 智内氏と言えばドイツ留学中に右手に筋ジストロフィーが発症し、ピアニストの道を諦めかけたが、左手だけで演奏する曲に巡り合い練習の結果、今では“左手のピアニスト”としてテレビでドキュメンタリー番組も作られるほど有名になった人である。チャリティーそのものについては、その会の開催の発端となる動機について裏の話を知っているので、あまり参加意識は持てなかったが、智内氏のコンサートは予想以上に素晴らしかった。彼は演奏の合間にこんなことを語った。「私の演奏では普通の人に比べ、音が五つ少ないというハンディキャップがあるが、逆に10本の指がある人より情感に勝る演奏ができる。」・・・と、正に彼はマイナスの自覚によって、マイナスをプラスに転化し、普通の人以上の演奏評価を世間から勝ち取ったと言えよう。この度のコンサートでは、チャリティーということもありアップライトでの演奏であったが、その音域の幅と抑揚は、確かにハンディキャップを感じさせず、あくまでも一人のピアニストとして賞賛できるものであった。自分が大切なものを無くした時、その悲しみ苦しみに押しつぶされてしまう人と、時間がかかっても乗り越えより強く生まれ変わる人がいる。私にとって4年前に病になった時が人生の岐路であったように思う。あの痛み苦しみを咀嚼できた私は、以後新しい人生を歩み始めた。

今苦しみ涙する君へ、その痛みが未来の糧になるように祈る・・・・。