私が社会人に成りたての頃、勤めていた会社の近くにあった丸ビルの2階の飲食店から外を眺めていると、公園(ビルの敷地内)の切り株の椅子を、突然4人の作業服を着た男たちが車に乗せて持ち去った。人通りの多い都会で、しかも真昼の出来事・・・現場に背広姿のビル関係者か現場監督風の人がいれば、なんの不思議もない日常の出来事の一齣である筈だが・・・ きっと彼らは、ビルの関係者から依頼を受けて作業していたに違いない。・・・でもひょっとすると彼らは白昼堂々の窃盗犯だったのではないか・・・。いや、そんなことはない。翌日の新聞には関西人が喜びそうな三面記事はなかったし、思い過ごしに違いない。 ここで、“堂々と生きれば疑われることはない。”という落ちをつけると、とんでもない話で・・・それは私にもよく分かっている。 世の中には、目立たないように周囲に気を使って生きている人が多いが、そんな人はかえって人目を引いていることが多いような気がする。すべての人には大なり小なり他人と比して優れた部分も劣るところもあり、優れた部分をひけらかすのはどうかと思うが、劣る部分を隠そうとするとかえって目立つことが多く、それよりも堂々と普通に、自然に振舞ったほうが人目につかない。・・・と言う事が言いたかった。 この論脈には、無理があるであろうか・・・・ 私は、目立たぬように、堂々と生きていたい。 |