昨日、知人のシェフが企画した“ダリの晩餐”と言うディナーイベントに参加した。シェフは、10年間パリ郊外でオーベルジュを経営し、パリの料理学校コルドンブルーの教壇でフランス料理を教えた最初の日本人である。
今は客席数12人ほどの小さなレストランを、オーナーシェフとして奥さんと二人で営んでいる。
今回のテーマ“ダリの晩餐”では、シェフが20才代の時に大きなインパクトを受けた芸術家…ダリの料理本のなかから何点かを再現するとともに、ダリの絵画のなかから特徴的な絵を料理にしようと言うものだ。
見た目だけではなく、食べてもおいしい料理に仕上げるところが、長年この企画をあたためてきたシェフの夢であり、新しい料理に真っ向から向かい合おうと言うシェフの気概を感じる。
今回の企画は決して営業ベースで考えずに、戦い続ける料理人であろうとするシェフの意気込のあらわれだ。素敵なシェフである。
写真は、メイン料理の牛フィレ肉をあなごで巻いた一品だ。この塊は後で切り分けられ私達の皿に盛られた。あなごと牛肉の取り合わせはダリの料理本のなかにレシピとして存在する。今まで食べた初めての取り合わせである。ダリもシェフも天才だと思った。
シェフの年齢になっても、私は戦い続けていられるだろうか?
私も、シェフのように年齢を重ねて戦い続ける人生を送りたいものだ。 |