人の話を、普通の人はどのように聞いているのだろうか?一字一句発せられた言葉の意味を理解し、表情や仕草から裏に隠された本心を見抜こうとし、その人がなにをいいたいか完璧に理解できる人なんてめったにいない。 先日会議に出ていて、ある人の発表で聞いたことがない頭文字のローマ字があって、意味不明だったものだから、会議のあとで出席者10名ほどに尋ねてみた。そうしたら誰からも答えが返らなかった。その場で自分が分かっていないということを知られるのが恥ずかしいという気持ちもあるだろうが、分かっていなくても、私も含めそういう場で質問せずにやり過ごす人が大半に違いない。 サバーンのように経験した全てを記憶できる人なんて極稀にしかいないから、一言二言…言葉の意味が分からなくても、ほとんどの人はなんとなく感じとって都合よく理解するのだろう。 考えてみたら、芸術の評価と同じだと思った。同じ作品を見ても気に入る人、全く興味のない人それぞれだ。私は細かいところを観察しすぎないで、理解しようとする前にたっぷり、ぼんやり…と眺めていられる人になりたいな…。そのほうが全体のバランスや本質がわかるような気がする。 |