“写真のような絵”ですね…という評価は、評価した方が誉め言葉として用いても描いた作家から言わせると、あまり嬉しくはない。 写真はシャッターを押す一瞬で作品になるが、精根込め時間をかけて描いた絵がそれと同じだと言われると作家は空しくなるのだ。 ところが素晴らしい描写力ですね…と言われると描いた作家は喜ぶ。 今までの作家は自分の絵のなかに写真とは違う筆のタッチとか構図を用いて写真とは違う作品性を主張しようとしてきた。近年そんな時代があった。 ところが最近の画像変換ソフトは、写真を絵画のようにどんな風にでも加工することができるようになったから、精緻な絵画を描く画家の居場所がなくなってきたように思う。 従って、将来写真のような絵を描く作家はいなくなるだろうと予想する。 私が写真のような絵を描かなくなった理由の一つがここにある。 |