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SOLILOQUY

ひとりごと

 
December 14, 2013 11:29:08

画家

カテゴリー: 日記
マダムの出版記念食事会には、挿絵を描いた画家の女性も来ていた。その彼女は現在陶器店の販売責任者(…と言っても店員は一人だけの店だが)をしており、家にいる時に好きな絵を描いている。
以前イタリアで個展をしたことがあるそうで、その際には高い評価を得たと言うが日本ではまだ認められていない。食事会の時に彼女は自分が絵を描きはじめる時の話をした。なにを描くか全く考えずに画面に向かい自分のなかから湧き出すものを感じて描くというのだ。
彼女の絵を見ていると、普通の絵描きのように、上手く描きたいとか、高い評価を得たい等の下心がないことが私には伝わってくる。あくまでも自分が描きたいものを描くだけなのだ。
考えてみると、美術学校なんぞに入学すると、どう描けば高い評価を得られるか…ということを教わるわけだから、彼女には百害がって一利なしというものだ。
案の定、彼女もそして磁器の絵付師として国宝級の腕を持つ彼女の父親も、すべて独学で絵を描いている。

昨年だったか、日本では馴染のないアール・ブリュット(アウトサイダー・アート)の展覧会に行ったことがあった。画家の女性もこの部類のアーティストだろうと思う。

彼女の作品が日本で受け入れられるのはまだまだ先だ…と、年齢の割に妙に子供らしさを残す純粋な彼女の笑顔見ていて、そう思った。