ある町に貧しくも慎ましく生きる若い夫婦がいた。 夫の自慢は父親から譲り受けた懐中時計…しかし鎖が切れて今は持ち歩けない。 妻の自慢は母親譲りの長くしなやかな栗色の髪。 愛する伴侶のためのクリリスマス・プレゼントに…妻は懐中時計の鎖を…夫は妻の髪をすく鼈甲の櫛を買いたかったが、共にお金が無く思案していた。 クリスマスイブの夜…プレゼントした時の妻の喜ぶ顔を思って夫は妻に鼈甲の櫛を渡そうとした。しかし櫛ですくための妻の自慢の髪は短く切られてしまっていた。 妻は、髪の毛を売って買いもとめた時計の鎖を夫に渡そうとした。しかし夫の自慢の懐中時計はすでに人手に渡っていた。 オー・ヘンリーの短編の代表作‘賢者の贈り物’とは、こんな物語だっただろうか? クリスマスイブには、毎年…この物語を思い出す。 |