“みなとみらい21”へ行った。同じ港町であっても首都に近いこの町の都市開発はわが町のそれより数回りデカイ規模である。港、運河、レンガ造の倉庫、ディスプレーされた帆船、高級ホテルに巨大複合施設等々、埋め立て地も含め地理的特徴を新旧入り混じったハードを配して造られたこの町は、一見素敵な未来都市のように見えるのだが・・・夕方になっても飲食店街のお客の入りは今ひとつ、と言うよりガラガラ・・・隣接した遊園地の乗り物は、お客がいなくて動きもしない。かろうじて動いていた回転遊具を見つけたら、母親らしき女性が柵の外から娘が一人で乗っているのを眺めていた。映画館に入ってみれば収容能力五百人くらいの館内に観客が十二三人だけ・・・この美しい、人類の現代英知の粋を集めて造られたこの町は・・・なにか狂っている。 この現実を誰も予想しなかったのだろうか、過去に滅びた古代都市も、これだけ早く風化が見え始めることはなかっただろう。これだけの都市開発を、乗せた人間と乗った人間がいる。乗せた人間は他の町で同じ事を繰り返し財を増やし、乗った者は財を無くし去っていく。 誰か素敵な人がそばに居てくれたなら、ガラガラの遊園地の遊具を片っ端から試したかも知れないな・・・とか、土曜日曜はもっと人が多いんだろうかとも考えてみるが・・・ 散歩コースやジョギングコースとしては素敵なこの未来都市が、廃墟に見えるこの私をおかしいと思われます? 町の建物や風景をカメラに収める外国人の姿が遺跡巡りをしている人たちに見える未来都市でのひと時であった。 |