20歳代前半の会社に入りたての頃、上司からその当時売れっ子だった社会評論家の講演会に行くように言われ、会社が引けてから聞きに行ったことがある。今から思い出だそうとしても何の話だったか全く記憶に残っていないが、彼が講演最後の締めとして使った言葉だけは、“面白くない話をしておいて、よくこんなことが言えるな!”と思った記憶と共に私の頭に焼きついている。 「賢者は愚者に学び、愚者は賢者に学ばず。」であった。 その日以来、私はその評論家のことを好きでは無くなったが、その言葉だけは自分への教訓として大切なものとなった。 今日、いつもは聞かないラジオ番組を聞いていて、久しぶりにその評論家の声を聞いた。今も彼を好きではないが、私に教訓を残した人生の師?の言葉を思い出して当時の出来事が蘇った。 私は、賢者としてその番組を最後まで聞いた。 |