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SOLILOQUY

ひとりごと

 
April 23, 2014 11:32:43

庶民

カテゴリー: 日記
昨日、町のボスの自宅のリビングルームで会議があった。ボスと言っても男ではない。自分の年齢を108歳と公言する…おそらく70歳くらいのゴッドマザーである。バチカンの戴冠式にも招待され、パリの名誉市民でもある彼女は、いつも溌溂としている。

家に内に入って私が一番気になるところは、壁にかかった絵画だ。
マチス・ピカソ・藤田嗣治・草間弥生等々…そうそうたる作家の作品が並ぶ。もちろんみんな本物だ。
おまけに選ぶ人の目が肥えているのだろう…作品が上品だ。

彼女自身が入れてくれたアップルティーに、目の前で缶を開け皿の上に盛られたバターたっぷりのクッキー…次に出された一椀のおかき…きっとこれも、どこか由一緒のある店の銘菓やと思いきや、一口サイズのパックに入ったどこにでも売っているおかきだった。

これだから、庶民は悲しいものだ。雰囲気に呑まれると物の良し悪しが分からなくなる。
きっと、この家に招かれた庶民は彼女の凄さを思い知って帰るのだろう。

私も、いつかこんな生活をしてみたいと思うが、この人生では無理だろう…と、諦めた。