昨晩、20歳のチェリストとピアニストの演奏会に出席した。ロシア人の先生に師事している若いチェリストは、自分の演奏する曲を演奏順に料理に例え説明した。サラダ・スープ・メイン・デザートというように・・・今まで聞いたことのない解説であったが、妙に納得させられた。 メインの演奏(バッハ)の前に、彼はこんなことを話した。ドイツに滞在した時、あるレストランで1.2kgのアイスバイン(豚の塩漬け)を、ゆっくり、休み休み、苦しみながら一人で食べきった・・・この説明を聞いたとき、西欧のクラシックが私の頭のなかで少し理解できたように思えた。クラシックは肉食人種の音楽なんだと・・・米食う国の青年が、肉食人種の音楽を学ぶなかで、初々しい感性が語らせたクラシックの真理の表現だと思った。 日本人の彼が、ころからどのように欧米人の音楽を悩み・苦しみ・喜び、興奮し、吸収し、開花していくか楽しみに思う。 |