心の中に不満や、怒りや、憎しみを持っている人の近くに寄ると、胸からお腹辺りにかけて、黒くもやっとした気体が見えるような気がする。その黒いエーテルは、その人の体だけでなく心も蝕んでいき、仕舞いには命を啄ばむ。大切な人がそんな姿に映ったとき、私は「吐き出せ!大きく息をしろ!黒い気体を吐き出せ!」と・・・心のなかで静かに叫ぶ。私には、その人の不満や、怒りや、憎しみの源は分からない。しかし、黒いエーテルはその人のなかで浮遊する。大切な人が倒れてしまわないように・・・私にできることは・・・ひとつ・・・「大きな深呼吸をするんだ。お腹のなかのエーテルを全部吐き出してしまえ!」と、肩を掴んで言う事だけ・・・ 他には何もできない、ちっぽけな自分を感じる。 |