昨晩、マダムの店の外から薔薇のおじさんがマダムと話をしているのが見えた。いつものように軽く挨拶して帰ろうと、店の扉を開けた。薔薇のおじさんは、私と同じ大動脈解離になり手術はしなかったが食事療法と投薬を続けている。その後癌で手術もしたから、見るからに不健康そうである。 話しの拍子に死後の話しになり、私の考えている‘死’について話すと、おじさんは真剣にいくつもの質問を返してきた。 ふと、おじさんが‘死’を恐れていると感じ、さらに力をこめて私が死を恐れていない理由を話した。 どれだけ、おじさんに勇気を与えられただろうか?別れ際…おじさんの顔の強張りが薄らいでいた。 死に直面した時、その痛み・苦しみ・恐怖は、私も拭い去ることはできない。しかし、それを望んでいる自分もいることを私は確信しているのだ。 |