5つの遺書から始まる5つの物語。全員が例外なく優しく、正直で、正義感に溢れている。そして、真面目だ。その誠実さ故の悲しい結末。
彼らに強さは求めない。十分過ぎるほど強い。ただ、もう少しだけ、自分の死後の家族、友人の悲しみに対する想像力と、現状から逃げる「勇気」を持って欲しかった。逃げる事は弱さ故ではない。現実逃避しても良いではないか。人生は長い。いつでも取り返しがきく。その柔軟性を持って欲しかった。強さ故の現実逃避は奨励すべきだ。
現実とは何故こんなにも苦しいのかと、思い悩んでいる方には是非読んで頂きたい。ただ、もう少し、取材班が突っ込んだ取材をして欲しかった。分量が倍になっても良い。いや、ご家族の心境を考えると、これが限界か。 |