良い。まずは、前書きと後書きを読んで欲しい。これだけでも一読の価値はある。青春とは、今が青春だなと感じるものではなく、後になって、今から思い返せばあの時が青春だったんだなと回顧するものだとの主張は説得力がある。また、青春には挫折と戸惑いの連続であり、ある意味、人生における空白の時代だとは面白い見方である。しかも、その後のステップとしての準備段階なのである。
取り上げられている人物は、いずれも挫折を味わい、そこから自らの力と負けん気の強さ、好奇心で頂点に上り詰める。しかも全員が若い。既成の出世街道からは外れた生き方をし、自分のしたいことを見付けそれに遭遇することによって一つの頂きに到達する。
自らの意思も重要であるが、人との出会い、偶然が人生を左右することも面白い。
もう少し各人物像を掘り下げて分量を倍ほどにしても良かったのではないかと思うほどである。
20歳前の方には必読の書。 |