この本は、読者の為に書かれた本ではない。今も何処かでせせら笑っている誰かへの著者のメッセージだ。警察上層部とストーカーとの癒着も暗示しており、たぶん彼らへのメッセージだ。しかも、我々にはわからないが、当事者にはわかるような形でヒントが隠されており、自分はここまで知っているんだ、覚悟しておけ、との憤りを読み取る事が出来る。
最初はストーカー被害の凄惨さがテーマかと思い読み始めたが、そうではなかった。この事件のような人格障害者はどこに居てもおかしくない。そういう人と関わった時に、警察がどういう対処をしたか?それが公になった時に、どのように隠蔽工作、蜥蜴の尻尾切りをしたか?が問題なのだ。しかも、現在警察当局は、またもや、被害者を傷つける行動に出ている。呆れて物も言えない。ストーカー被害だけでなく、警察の暗部まで暴かれて、初めて被害者とその家族が報われる日が来る。日本はアメリカと同じく自分の身は自分で守らなくてはなくてはならない時代に入ったと認識させられる。
この事件をきっかけにストーカー被害に関する法律が、異例とも言える迅速さで成立したことが唯一の救いだ。しかし、これにも裏があると考えるのは深読みのし過ぎだろうか? |