高校生の頃、安部公房の短編集を読んだ記憶がある。“他人の顔”か“箱男”だったと思うが、仮面をつけたり、段ボールを被って穴から世界を見ると普段の自分と違う解放された人格が表れる…なんてストーリーだったように思う。 昨日、ハロウィンイベントのゴールで子供達にキャンディーを配っていた私は、子供達がやってくるまでの数分間路面に面したベンチに座り人前ではじめてギターを弾いた。ファースト路上ライブである。演奏会ではガチガチに緊張したのに、三つ目の目を額に描き、スパイダーマンの仮面をかぶった私は、違う人格ではなく、いつもの私でいられた。 仕事の難しい話も仮面をつけてたら、うまく運ぶだろうか? 平常でいることは、大切なことだと思う。 |