昨晩、マダムの店のボジョレー・ヌーボーの会があった。21日に解禁されてしばらく経つが、30名ほどのワイン好きが集まった。 以前から私のことを“ドン・キホーテ”と呼ぶセレブのマダムが私の横に座った。彼女はいつでもスポットライトの中心にいないといけない人だから、よく知っている人はうまく彼女を持ち上げる。私も適当に彼女の方に話題をふっていたのだが、同じテーブルの他の人たちが傲慢にも見える彼女の振る舞いに、面白くなさそうな顔をしはじめたから、後半は私がセレブのお相手を買って出た。 彼女と真剣に話をしてみると、純粋で美的感覚に優れ、素晴らしい直感力を持っていて、ともかく興味があれば、どこへでも訪ねていくし、誰とでも臆さず話をする素敵な人間に思えてきた。 自分のことを棘のない薔薇の花だと例える彼女は、確かに人を傷つけるような棘は、持ってないように思えた。 会が終わり表に出て、今日もまた・・・・・“どうして私のことをドン・キホーテと呼ぶのか?” 聞き忘れたことを後悔した。 棘がなければ、悪い意味ではないと思うのだが… |