先日、知人の医者に研究論文の“コピーペースト”についてどう思うか尋ねてみた。彼女は、“そんなの学生は、みんなやっているわよ。真似しないと論文なんて学生が書ける訳無いでしょ…。そこのところを突っ込むのはちょっと酷ね!”と言った。 今日ある大学の教授で植物学の研究家に、同じ質問をしてみた。“結局、最初に誰の指導を受けたかね。オリジナリティーに疑問を持たれる論文を一度書いたら、研究者としての生命を絶たれるということを徹底して教えることが指導者の勤めだと思う。” 大学の教授は、45年前にネイチャーにも論文を送ったが、一人のオランダ人の審査員に振り落とされた経験がある。彼女の研究発表はその後、全世界の植物学の常識として実際に利用されている。 芸術や芸能の分野ではコピーとオリジナリティーとの融合でパロディーという新しいオリジナルに化けることがあるが、学術的な研究ではあり得ない話に違いない。 世界を目指す研究者と、学生の俄か研究とは同じレベルで評価できないだろうが、本物を目指すならオリジナリティーが最後に際立つプレゼンテーションをしてほしいと思う。 |