昨晩、知人とフレンチの店に行った。連休初日と言うこともあり、シェフが“最近、店が静かで…。”と言う店内にも活気が溢れていた。いつものように料理は絶品だったのだが、店に預かってもらっていたシャトー・カントナックのボトルを開戦してもらったら、残念なことに少し酸化していてがっかりした。味の劣化には心当たりがある。店に預ける前に、うっかり家のワインクーラーの電源が切れたことがあったのだ。ワインがデリケートなものだと思い知る。 東京では、この店のクラスのレストランは予約できないほど毎日満席の日が続くのだろうが、震災後私の町では接待が減り、いまだにバブル崩壊以降景気が低迷し、高級フレンチ店は苦戦を強いられている。 昨晩の店のお客で目を引いたのは、一人で食べに来ている男性が二人いたことだ。二人とも常連のようで、メニューのオーダーの仕方も堂にいっていた。 彼らは単身赴任で、自分へのご褒美で来たのか?それとも、心から美味いものが好きな人達だろうか…と、いろいろ想像してみるが、もう一つ彼らの感覚が分からない。 私にとってレストランでの食事とは、ただ食べるだけではなく、気が置けない人と楽しく会話しながら過ごす時間…という意味合いがある。ただただ美味いものを食べる人のことをグルマンだと言うのなら私は当てはまらないだろう。食事を共にできる人を大切にしたと心から思う。 |