一作日、特急電車に乗り損ね各駅停車で帰宅途中…、ある駅に着いて扉が開いた途端に、ドタッという音が聞こえた。その方向に目を向けると、電車を降りようと扉附近にいた人達が“だいじょうぶですか?”と誰かに声をかけている。それで床に視線を移すと男性が倒れていることが分かった。その後も“だいじょうぶですか?”という問いかけが続く。電車が発車しないよう、扉を押さえている者…、ホームから駅員を呼ぶ者…、それぞれが緊急対応している。しばらくすると倒れていた男はスクっと立ち上がり、なにごともなかったように電車の外に出た。数秒後またドタッという音がして女性の悲鳴が聞こえた。 駅員がかけつけてきて対応したので数分後に電車は発車した。 私は、離れて見ているだけだったが、みんな見ず知らずの人に素晴らしい対応である。なんだか嬉しくなった。 それにしても二度も倒れた男性は、地面で頭を強打しただろう。おそらく脳梗塞かなにかに違いない。今後、私の近くで同じ状況に遭遇したら、倒れた人を絶対動かさないようにしようと思った。 それと帽子をかぶったほうがいいと思った。 明日は我が身に起こるかも知れない。 |