午前1時の船に乗る前に、いっしょに行く知人と晩飯を食べショットバーを3軒はしごした。その男は、以前から酒を飲むとあまり癖の良くないことを承知していたから、いつもは適当に切り上げ家に帰るようにしていたが、船に乗るからずっといっしょである。
心配していたら、乗船してすぐに私の言葉尻を捉えて絡んできた。やっかいな雰囲気だと思ったら、“もう、いっしょにおられん…。”とか言って勝手に怒りだし、どこかへ行ってしまった。それで、私の目の前から消えてくれてせいせいした。朝になったら案の定なにごともなかったように“昨晩は飲みすぎました。”と言って近づいてきた。
都合の良い人間は多いものだ。昨晩のことは覚えていない風である。
二度と彼とは長時間酒をともにしないように心に決めた。
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