旅行までの限られた休日を、どう使ったらいいのかわからない。 まずは旅行から帰ってきて部屋が汚いとブルーになるので掃除をしておかないといけないのだけど、あまり早めにやっておくと荷造りなんかでバタバタして出発までに散らかす可能性が強い。美容院にも行くしまつげエクステもつけないと。こないだは脱毛行ってなんかもう切ったりつけたり脱したり忙しくて腹立つ。それから車のなかでかけるCDを作りたい。あと池袋昼席と鈴本夜席も行っておきたい。 外から舞い込んできた予定はもう決まっているので、それと合わせてどう動くのがいいか。夜から新宿で待ち合わせがあるから昼は池袋がいいのか、はたまた恵比寿か。いやいや恵比寿から夕方上野へ向かうほうがいいのか。とか。 アクティブなひとだったら寄席はさておきそのほかは一日でこなしちゃうんだろうな。わたしはあれ、ふだんからもう休みの日に銀行いっただけで一日の用事ぜんぶ済ませたみたいな気になるから。マルチタスクで動けない超ロースペック。 そんな感じでもともと時間配分が苦手なので、こうなることはいつものことでいつものことながら軽くパニックになる。けど、毎年こうしてあれこれ支度してるときがいちばんたのしいのかもしれない。 でもあしたは雨なので日中はなにもしない。基本的に雨が降ったらおやすみ。風が吹かなくても遅刻するのでカメハメハ大王よりものんきな暮らしだ。 夜はすき焼き食べ放題。 |
・夏休み気分が抜けないので近所の盆踊りに行ってきた。 盆踊りのスタンダードナンバーでありながら幼少より去年までまったく踊れなかった(といっても本気で踊り始めたのは三年前)東京音頭と炭坑節、輪のなかでひと回りほどしたあたりで踊れるようになっていたのでおどろいた。 あれここの自治体は踊りやすいようにアレンジがきいてるのかしら?などと考えだけれど、youtubeで確認してみるとそうではなかった。 八丈島の樫立地区では「樫立踊り」という都の無形文化財にもなっている踊りを盆に踊るのだけれども、これは流刑地だった島に持ち込まれた様々な土地の踊りを合わせて一連にしたものらしく、1番から12番まであって歌も違えば振りも違う。一曲おなじ振りでやぐらを回り続けるおなじみのそれとは違って超ハードだ。 もしかして我々はそれを必死で追いかけようとしているうちに、ものすごいスキルアップしていたのではないか?通常の盆踊りが止まって見えるほどに……。 ・近々スナックに行く予定があったので昭和歌謡のレパートリーでも増やすかとおもってひとりカラオケ、帰宅後に北原ミレイの「ざんげの値打ちもない」を聴いていた翌日、藤圭子の訃報を知る。 同年、先にヒットしていた「圭子の夢は夜ひらく」の暗かった少女時代をつまびらかにしたような歌詞なので、ちょっと遠い虫の知らせかとおもいそうになったけれど虫の知らせがあるほど圭子と縁があったわけではもちろんない。ていうか一切ない。その日、朝方ヘリの音がこちらまで聞こえていたようだけれどわたしは眠りの最中だった。 そういうわけで、というわけではないが所用あって西新宿を歩いた。 柏木の(六代目)圓生の跡形もない自宅跡地を眺めた。 餃子屋に入ったらぜんぜんおいしくなくてがっかり。 |
・冬瓜はとりそぼろあんと煮て冷やしておこうとおもったのにあっつあつのうちに半分以上たべてしまった。が、残りわずか冷やしたやつよりおいしかったから良し。 ・半分残った冬瓜はシチューにした。あとさといもと鶏の手羽元と手羽先、にんじんたまねぎ。ほんとうはお豆腐も入れたかったのだけど鍋がギリッギリだったのであきらめた。あした入れるかも。 ・いまよりずっと貧乏だったころには小麦粉からホワイトソースを作ってもいたけれど、わたしはやっぱりハウスシチューミクスが好き。化学の味ばんざい。姉がむかし、夫がルゥを使ったシチューだと食べないとかぼやいていたけどそんなもん離婚だ離婚。ばっかやろう。 ・シチューはシチューミクス、とはいえグラタンのときは粉からつくる。ハインツ缶もグラタンヘルパーも使わない。なぜならたくさん食べたいから。 ・そういえば冬瓜を煮るのにちょっとふんぱつして葛粉を買っちゃおうっかなとおもったのだけれど、どうせほんだしで煮るんだから105円の片栗粉でいいよばからしい。と瞬時に思いを拭い去った。科学の味ばんざい。 ・毎日毎日ごはんばっか食べてると、一巡して誰かのためにごはん作りたいなーっておもうときがある。ここでこの欲求が寂しさとうまくすり変わればもっと切羽詰まってくるんじゃないかとおもうけれど、誰かのためだったらうちには同居人がどっさりおるわけだし呼べば来てくれたり鍋持って押しかたら快く迎えてくれる友人もおそらく数人いるだろうしでなんの問題もない。問題がなさすぎるのが問題になりつつあるともいえる。誰かって誰よ?という部分を明確にしなくては始まらないのか。 ・なんかもうカップルとか夫婦とかうらやましいねたましい通り越して世界一幸せな国ブータンくらいよくわからないけどそうなんですねって感じにおもえてきた。 ・池袋演芸場夜席「日本の歴史を検証する会」 柳家獅童師はわたしがまだ落語にまったく興味がなかったころに飲み屋で一度隣り合わせたことがあって、一人称が「拙」だったのにたいへんおどろいたっていうか落語家ってそういうものなんだとおもっていた。 ・高座は初めてみた。犬公方の話から飛んで中野区は猫にやさしい区っていってたけど実際は地域猫対策が23区でも厳しいほうなんだよな。 ・喬太郎大好きだけどお得意の中年男性のちょっぴり切ないハートフル落語はきもちわるいなあとおもう。わたしが中年女性だからなんだろうけれど。 ・うちの目の前が寄席だったらいいのになあ。宝くじ当たったらお席亭になりたい。宝くじ買ってないけど。 ・だいたい夏はほとんどビーサン(漁協サンダル)で、八月いっぱいは意地でも履き続けたいのだけどもう演芸場のエアコンがつらかった。池袋はエアコン効きすぎって知ってたから上着は持っていったんだけど。でも寒いって言ったらその場で夏が終わるから言わない。 |
・天どんが今日しか出ないから今日にしたのにまんまと寝坊。終わり間際しか聞けなかったけど「通信簿」かなあ。 ・仙三郎社中 ナイフ投げとか ・小せん 金明竹 ・一朝 野ざらし ・ホームラン のいるこいるの代演。テレビ通販ネタとか。 ・正蔵 みそ豆 ・小朝 猫の皿 ・猫八 マサイマラの鈴虫とか ・金馬 心肺停止した話から夏医者 ・ぺぺ桜井 禁じられた遊びを弾きながら演歌など ・喜多八殿下 長短 ・菊之丞 親子酒 ・二楽 桃太郎、鬼嫁、ドラえもん ・川柳 ガーコン、ラ・マラゲーニャ 平日昼なのにかなり埋まってた気がするのは小朝が出るからなのか団体客が入ってたからなのか。その場でメモとるのがどうも気恥ずかしくて記憶だけなんだけど、正蔵がまったく思い出せなかった。正蔵の身振り、声、こんなに長い時間正蔵のこと考えたの初めて。 川柳が元気でガーコンやっててくれればもうそれでいい。生きて動いてることだけが価値になる噺家はわたしのなかでいまのところこの人だけ。喬太郎のことはそこまで愛せないってこないだ池袋で思った。でも当初出演予定だったのいるこいるが今席休席とのことで不安になる。 夜席は白酒の新作。みたかったけど疲れちゃって断念。鳥の生肉など食べに中野。 下席から真打披露も始まるので寄席通いに忙しくなりそう。平和。 |
とある縁で小学生の集団と一晩過ごした。 小学生女児はほんとうにおそろしい。毎年かならず年齢と未婚既婚、恋人の有無を聞かれるという洗礼を受けるところからはじまる。ほんとうにこいつらは形から入りやがるので、恋人いないと言った瞬間から「寂しそうな顔してるもんね」とのたまう。顔が地味なのは生まれつきです。 消灯時間を過ぎると女児たちが群れでやってきて、ガールズトークしようといって拉致される。 そして恋バナという名の拷問にかけられる。 11歳「どうして彼氏いないの?」 34歳「どうしてだろうね。自分でもわからん」 11歳「彼氏いたことはあるの?なんで結婚しなかったの?」 34歳「まあ、いろいろあってうまくいかないねえ」 11歳「結婚してる人を好きになっちゃったり?」 34歳「そ、そういうこともありました…昔の話ですが」 11歳「そっかー、それはしょうがないね。次いかなきゃだよ」 34歳「はい」 11歳「いま好きな人いないの?」 34歳「好きだけじゃダメなことが多かったから、いろいろ考えちゃって…」 11歳「好きって言えないんだ。臆病になってるんじゃない?恋愛に」 34歳「…はい」 11歳「でもさあ、いっしょにごはん食べに行く人ぐらいいるでしょ?」 34歳「え、まあ、まあね」 11歳「その人のことは嫌いじゃないわけ?」 34歳「いやまあ、それは…」 11歳「もうその人と結婚しな。30過ぎてんだし、どんどん出会いなくなるよ!」 34歳「えっ…はい」 彼女らの言うことにぐうの音もでない。いなきゃいないで楽しいもんだよ、という理屈は一切通用しないのだ。その理屈をこねているこちらにもどこか惑いがあることを見抜いてかどうかはわからないが。 しかしどっかで聞いたことあるご意見だなとおもったら、わたしの9つ上の姉だった。彼女らの母親がおそらくその前後の世代なのだろうか、見事にコピーされている。 しかし、こんな「結婚こそ勝利であり、すべての女が掴む喜び」だと信じて疑わない彼女らだが、その前にはひとつ難関が立ちはだかっているようだ。それについて夜中まで女児たちはメートルあげっぱなしだった。 翌朝、会の主催者から「ゆうべかなりエグいこと教えてたんだって?」と聞かれたが、冗談じゃないよこっちが被害者だ!と言うほどトラウマものの質問責めにあった。 |
いろいろあって急遽4連休になってしまって嬉しい悲鳴。実質三連休だがどうにでもできるぞ!とおもってあわてて小旅行の計画などたてたけど関東・伊豆諸島は雨だし、山は嫌だし沖縄は高いし遠出するには二泊じゃものたりないとわがままをしていたら結局これといって行きたい場所なんてないことに気がついてしまった。 ので、いつもどおり落語と無駄飯。 0910 鈴本演芸場夜の部 桃月庵白酒主任 「ほほえみ残暑見舞い 白酒の裏切り ~おはよう新作、おやすみ古典~」 三遊亭おじさん「ん廻し」 古今亭駒次「があるずとおく」 和楽社中 春風亭一之輔「粗忽の釘」 柳家権太楼 「家見舞」 ロケット団 橘家文左衛門「馬のす」 三遊亭白鳥「初めてのフライト」 アサダ二世 隅田川馬石「安兵衛狐」 林家正楽「オリンピック、白酒師匠、紺屋高尾」 桃月庵白酒「寄席よりの使者」 白酒が新作を。結論から言うともっと行けてればよかった。ひょんなことから川柳師匠がシリア和平に貢献してしまう話。会話が噛み合わず互いに勘違いしてトントン進む系。前日ネタおろしの本日ネタ封じと言っていた。もったいない。そして一之輔の粗忽の釘すごかった。このひとやっぱすごい。 0911 しゃぶしゃぶ食べ放題。呼んでも来ない店員。もしかしてあの店員の姿が見えているのは我々だけなのでは?いやもしかして逆の線もある…? 一品料理も食べ放題なんだけど、散々待たされて冷えたステーキを出された。食べ放題なんて味がどうのサービスがどうの言うほうがバカだとおもっているのだけれど、放置で冷えた食べ物を出されるのだけはがまんならない。出されたばかりのステーキを即効で突き返し、「これ冷めちゃってたんでぇー、チンしてもらえますか?」と嫌味のつもりでわざとらしく一言添えた。ら、まじで1分もしないのちにチンして持ってきたあいつは一枚上手。ウン、あったかくなったね、と言ってあとはもう黙って食べた。食べ放題にサービスや味を期待する、飲食店で店員に横柄な態度をとるのは愚の骨頂である。 0912 ミュージック・テイト西新宿店開店二周年記念 春風亭百栄独演会in落語くらぶvol.2 誘拐家族 浮世床(本~夢の逢瀬) バイオレンススコ 三席。ずっと行きたいなとおもっていた百栄の独演会だったので満足。初テイト。こんなに狭いとは。高座を間近で見れてよかった。記念手拭いもらった。かわいいやつ。バイオレンススコ、近未来に同種族で群れをなすようになったネコたちが餌場をめぐって争う話。キャットフードの銘柄が次々出てくるくだりでなぜかすごい音でおなか鳴って恥ずかしかった。たしかにおなかは空いていたけれどわたしキャットフードなんか食べないのに。 0913 落語会のあと、池袋演芸場にいた友人と落ち合って新宿でもんじゃ。 朝方解散、そのままひとり新宿のサウナへ。まるで開放感のない露天風呂に浸かり、あかすりをしてもらう。日焼けだとおもっていたものがじつは垢で、こすられてぜんぶ落ちてしまったらどうしよう恥ずかしい、とおもっていたらそうでもなかったホッとした。けど、なんかすごい出たらしくて韓国人のお姉さんにあったかい目を向けられた。そこまで出たなら体重なんかも減ったかしら、とおもったら増えてた。 昼過ぎに出て中村屋でインドカリーを食べて帰宅。中村屋のカリー、なんかよく食べたくなるんだけど食べると満足度が低い食べ物ランキング上位。 夜になって祭囃子が聞こえてくる気がした。同居人に尋ねると聞こえないというし、sちゃん(本名)の部屋からそういう音(お囃子)いつも聞こえてくるよねと言われる始末。ついにおれはあたまがおかしくなったんか…と自室で震えていると同居人から「聞こえるね」とメール。音をたよりにお祭りを探す旅に出た。たどりついて踊りの輪に入ったとたんに終わってしまったが。東京音頭せめて一周したかった。 インドカレー食べて帰宅。えっ、一日二食もインドカレーって。 |
サンケイリビングつってサンケイグループが毎週出してるミセス向けの情報紙があって、これがうちにも届けられるんだけど、レシピとかホテルのビュッフェ情報とかそんなのが載ってたり、たまに落語会の情報が載ってたりするからひまつぶしにトイレついでにとよく読むんだけど。 こないだきたやつ読んでたら一面に「主婦休みの日」とか書いてあるのね。主婦休みの日は年に三回。リビングが発案して日本記念日協会に登録したものらしいんだけど。もう年に三回しか休めないって時点でとんでもないナンセンスだとおもったわけ。日本記念日協会なんてものがあるというおどろきはさておき。 で、そこまではいいんですよ。嫌だけど。なんかいかにもなセンスじゃないですか。 問題はその記事が、「主婦休みの日、なにしようかな~。エステも行きたいしおいしいものも食べたいし」と浮かれてる主婦に「遊びに行くのもいいけれど…健康診断に行った?」つってへんなヤギ(ユキちゃんという名前)がそれを諭して健康診断に行かせるっていうマンガが一面にドン。「年に一度は体のメンテナンス」の見出しが踊る。 ちょっと待って年に三回しかない休みを健康診断に使わせるとかどこのブラック企業よ。健康診断ぐらい好きなときに行かせろよ。つーかてきとうに休ませろよばかばかしい。 とか思ったりして、それだけじゃない。テレビみてたらクリアアサヒプライムリッチのCM。妻が「今日、主婦休むーっ!」とか宣言してちょっといい惣菜買って「リッチしよ?」とかいうやつ。リッチしよ?が隠語であるかどうかなんかどうでもいいんだよ。なに、結婚したらイベリコ豚も自由に食べれないの?ていうか宣言しないと息抜きもできないとかまじありえない。 結婚したら経済の回り方や時間の使い方が独身時代とは違うっていうのは、わからなくもないよ。子を成したりすることもあるだろうしさ。けど健康診断とかイベリコ豚しかも惣菜程度の、そんなものにも厳しく制限がつくとか考えたらゾッとした。情報紙やCMと、あくまで作られたものではあるけれど、このセンスと良しとしてる人間が多くいるって事実はさらにおそろしい。 だいたいさー夫婦でも恋人でもなんでもいいけど関係性に休みだなんだってなんなのそんなことできんのかできねえだろって話ですよ!主婦休みとかえらそうに言うなら浮気したりホストクラブ行ったりするもの容認してこその主婦休みだよね?わたし知ってるよ、男の人はべつに夫休みしなくても浮気したりキャバクラ行ったりしてんの。 とかそんなこと考えてたらおそらく結婚なんてできない気がしてきた。少なくとも主婦休みみたいな考え方をツルッと飲み込める人と共同生活は営みたくないしつまりそこで多くの異性との縁を逃しているのだろうし。この日記で何人の異性から反感買うかもわからん。 なんかもう人間休みたい。ちょっと川の様子みてくるわ。 |