4月25日 上野国立科学博物館 医は仁術展 春風亭一力 転失気 古今亭志ん吉 犬の目 桃月庵白酒 代脈 仲入り 桃月庵白酒 死神 落語なんかぜんぜん好きじゃない友人と。 テーマ的に医者の噺だろうなと予想していて、白酒だし代脈はあるだろうと予想できて、転失気・犬の目も寄席でよくかかる軽い噺だからありそうだなってとこまでは考えてたんだけどあとひとつ。友人が「死神は?」って言ってたけどわたしは、あれは医者になる話だけれどちょっと様子が違うんじゃないかと言ってたら当たった。そして言った友人は医者が出てくる噺は死神しか知らないっていう。わたしはちょっと季節ずれるけど夏の医者あたりかっておもったんだけどな。早すぎか…。 しかし、あんな軽い死神は初めて聞いたかも。つっても生で聞くのは初めてだったんだけど。滑稽な噺ではあるけれど全体的にじっとりとした暗さがある印象だったところ、白酒は終始明るい感じ。明るいからよけいに狂気を感じられて怖い。ちなみに今回の死神を追い払う呪文は「アジャラカモクレンオバマダイトウリョウスシハノコサズタベナサイ」だった。アジャラカモクレンの後には時事ネタが入りやすい模様。 医は仁術展もおもしろかった。展示の最後に見せられた鉄拳のパラパラ漫画がなんかわざとらしく泣かせにかかってきて興ざめしたけど。 わたしはそんなもんで泣かせにかかられなくても、恋するフォーチュンクッキーでおじさんやおばさんが笑顔でたどたどしく踊ってるとこ見て泣きそうになるからな。今日は代々木公園でレインボーパレードがあって、そこでブラスバンドが恋チュンやって踊ってたよって話聞いただけでもう泣きそうになった。 設定なんてなくても、なにかが存在する(した)ってことだけで誰かの胸を打つには充分なのだ。 |
ふだんあまりまんがを読まない(自分比)同居人からつい先日「持ってる?」と聞かれて、そういえばちゃんと読み返したいなと思っていた矢先にブックオフで安かったから買っちゃったよ。 これってほんと、一言でいってしまえば茶番なんだよね。響子さんと五代くんはどうなってしまうの!?なんていうハラハラ感は一切なく、つまらないことですれ違うふたりを読者はひたすらじれったく見守るしかないだけの話。しかしそれがなー、いいよなー。 このよさは個人的に各キャラクターの愛くるしさと、とくに響子さんのキャラクターに嫌みがないところだとおもう。妙齢の女性なりの劣情をあたりまえのように持っているし、思い込みや気性の激しいところもある。自己嫌悪や自意識過剰に苛まれたり戸惑ったりしてそこから少しずつ恋心に向き合ってく姿がそこかしこにみられるからとても気持ちがよい。慈愛にあふれる女性のようだけれど、自己犠牲の精神じゃないところもいい。亡き夫に操を立てながらも新たな恋に揺れる、という成り行きのなかで彼女が清楚な天然キャラだけのヒロインだったらたぶん途中で投げ捨ててる。高橋留美子ってすごいなあ。 |
あーるー かーらー 先日、戯れにダウンロードした出会い系アプリで平成生まれに写真を要求され、(本気で出会うつもりもないため)そのような答えに逃げたところ「マジですか!?どんなですか??」って返されてすげーびびった。伝わらないんだ。昭和は遠くなりにけり、老兵は死なずただ消え去るのみ。おらあもうこんな遊びをしていられる歳じゃねえってことだよリンダ。 プロフィール写真を変えたのはもうだいたいひと通り閲覧されただろという中堅どころな落ち着きと、あれを撮ったときから7~8kgくらい太ったので詐欺写真になりつつあるのではないかと危惧したため。とはいっても二枚目に載せてあるけどさ。普段写真なんかそんな撮られないから他に適当なものがない。 あのときは痩せたなあ。5月のほとんどを、職場で提供される昼食を少しと漢方薬と安定剤を栄養ドリンクで流し込む日々で過ごした。そうするとみるみる弛んでゆく皮膚と、日に日にあらわになってくるあばら骨を観察するのが楽しいような気分になっていった。気持ちとしては、せっかくだからこのままダイエットに突入してしまえという前向きなものもあったのだけれど、その奥の奥ではわたしはこんなに打ちひしがれていますという自己陶酔があったんだとおもう。初めのころは確かに、なにも考えたくなくて仕事以外の時間は薬で強制的に酩酊状態をつくっていた。ただしばらくするとつらくて食事も喉を通らない、んじゃなくて、こんなにつらいはずなのにごはんだけは一人前以上に食ってむくむくと肥えたままのおのれが醜いとおもってただけなのかもしれないあるいは、わたしがもっと綺麗だったら、というありがちで愚かな感情もあったのだろうかと。 それがいまじゃこの。 今日だけごはんキャベツにしたって無理だよ。 お肉も食べといてなにいってんの。 だいたいわたしが派手に痩せるときってなんか良くないことが起きてるときなんだよ。この五年の間では事情あって大問題を起こしたときと粉砕骨折したときと親が死んだときと猫が死んだときと兄が発狂したときか。若いころは季節の替り目に弱かったので秋から冬にかけてはちょっとバランス崩して必ず痩せてたんだけど、三十路あたりからもう上記レベルの事件でもないとそうそう減らなくなった。図太くなったんだよな。たくましくなったと言おうか。 しかしもう中年期、肥満よりもおそろしいのがそれに伴う筋力低下だ。もともと筋肉量はかなり少ない。高校時代、美術の先生におまえの重力に逆らわない体型は中世ヨーロッパの働かず動かない貴婦人が讃えられた美しさだとか(真偽のほどは知らない)褒められながら笑われたことがあるので、おそらく若いころから。そんなんだから体調不良があって症状を検索するとだいたい筋肉量を上げることが改善策のものばっかりで嫌になる。なんだかもう、ちかごろ冬が寒くて仕方がないし、緩勾配の坂でも自転車で登れない。 もういっそ肥満が美と富の象徴である、それはそれは紫外線の強い国に娶られて、「ジャバフの奴ぁ、あんなガリガリでなまっちろい嫁さんもらっちまって!」とか嘆かれたい。そうと決まればはやく迎えにきておくれ、未来の夫ジャバフよ。誰よ。知りませんけど。 |
訃報が届きお別れに行って、なんとも寂しい気持ちで帰宅すると今度は別のところから妊娠のお知らせが届きよろこばしい気持ちになる。感情の処理が追いつかずにいるのか、なんだかふしぎな気持ちに覆われる。命というのは本来すごくシンプルなものなのだろうな。わたしはどうやって取り組んでいくのかしら。ネットには殺人犯の弟が自ら命を絶ったニュースが流れる。 |
楽日。途中から。 ストレート松浦 ジャグリング 柳亭左龍 長短 橘家蔵之助 蛇含草 ぺぺ桜井 ギター漫談(いつもの) 柳家喬太郎 幇間腹 三遊亭吉窓 半分垢~寄席の踊り(なすかぼ) 松旭斎美智・美登 奇術 柳家喜多八 替り目 柳家小袁治 犬の目 林家正楽 紙切り(・花魁道中・かぐや姫) 三遊亭歌之介 勘定板 柳家喬之助(歌奴代演) 宮戸川 すず風にゃん子・金魚 漫才(婚活バスツアー・アニマルエクササイズ) 春風亭一朝 芝居の喧嘩 桂南喬 子ほめ 和楽社中 太神楽 川柳川柳 ガーコン いつもそうなんだけどとくに末廣はあとから思い出そうとしてすっかり抜けているときがある。これはもしかしてわたしがいつも桟敷に座って、椅子席よりもぼけーっと聞いているからではなかろうか。吉窓と小袁治があやしい。だいたい替り目と犬の目とか似たような名前が続いてるなんてあやしい。あー逆だったような気がしてきた。いやこれ逆だな。やり直そう。 吉窓 犬の目~なすかぼ 小袁治 半分垢 喬太郎はちょっと痩せてきた気がする。痛風の薬飲んでるとか言ってたから食事制限で痩せたとかだったらいいんだけど病気だったらやだな。金魚ちゃんがあたまに花を咲かせてるうえに日の丸立ててランドセルつけて「入学式」って札までつけててなんかうそみたいにツボに入ってしまい爆笑してしまったためか、すごいサービスしてくれた気がする…。 夜はずっと食べたかった春野菜の天ぷらを食べに行こうって出たのに、入った店に野菜はなにがありますかと聞いたら、アスパラガスとかたまねぎとかしいたけとかって言われてしまった。「たまねぎ、おいしいですよ」って言われても。たまねぎはおいしい。わかってる、わかってるけどそういうことじゃないんだよ。 天ぷら不発でやけくそ。たこやき食べてまずいけど愛されてる老舗と評判のハンバーグを食べてブックオフで大量にまんが買って帰宅。すげーさむかった。 |
前座 柳屋花どん(花緑門下) 道灌 春風亭一左 だくだく 古今亭文菊 四段目 春風亭一朝 短命 林家正楽 紙切り(花まつり・うぐいす・医は仁術) 橘家文左衛門 手紙無筆 春風亭百栄 露出さん ホンキートンク 漫才 古今亭菊之丞 片棒 アサダ二世 奇術 春風亭一之輔 藪入り 久々の寄席でたのしかった。菊之丞、そんな好きじゃなかったけど今日のでいいなあとおもった。見ていくうちに印象が良い方に変わってくることがあってそういうときすこし嬉しい。しかし今日のは肝心の三男までいかなかったけど片棒でいいのかな。一之輔は3月に湯島で聞いたときとおなじでなんだよーっておもってたけどやっぱ泣く。おすしたべて帰宅。 歌舞伎好きの友人から文七元結の感想を求められる。わたしは芝浜でも感動できないのでとうぜん文七元結で感動するはずもなく、一口に人情噺といっても登場人物全員の気持ちも行いもすべてわたしには理解できない。調べてみるとあれは圓朝が田舎侍に江戸っ子気質を見せつけるために作った噺でそのために行き過ぎた描写になっていると読んで(Wikipedia)納得した。そして江戸っ子って圓朝って嫌なやつだなとおもった。 |