私には、シェフが個人的に知り合いの場合、年に何度か食べに行く飲食店はあるが、本来私はグルメではないし、味に敏感ではないので、美味いから何度も行くというような“行きつけの店”は私の食べ物屋のリストには存在しない。できるなら、世の中星の数ほどある食べ物屋を片っ端から食べ歩きたいと思うが、どう考えてもそれは無理な話…、従って知人に勧められたり、ネットで良さそうな店を見つけては、1度だけしか行かない新しい店を訪ね歩く。 たまに選択を間違ったと思う店もあるが、それはそれで自分の肥しになる…と後悔はしない。大体美味いものばかり食っていると味覚が麻痺するのではないか…。美味くないものも適当に食べておく方が、美味いものに巡り合った時に大きな幸せを感じると言うものだ。 私の食べ物屋の評価は、美味いか美味くないかだけの基準ではない。勿論味は大切だが、入口付近・看板・内装・什器・器・サービス…そしてオーナーレストランの場合はオーナーの顔が重要だ。おそらくミシュランの審査員もオーナーの顔を一番重要視しているのだろうが、それはさすがに公にはできないのだろう。作る人の、人となりを見ていると大体予想どおりの皿が出てくる。 今日は昼から知人とコンサートに出かけるが、その後に私の主治医に勧められた焼き鳥屋に行く予定だ。私の血圧をコントロールする医者は、私が食いしん坊だと思って、自分の気に入りの店を教えてくる。医者は私の血圧を上昇させて薬の量を増やそうとしているのだろうか…。 あまり深く考えずに、焼き鳥屋の主人の顔を観に行こう…と…いや、違った。美味い焼き鳥を期待して暖簾をくぐることにしたい。 |
ふと、小学生の頃を思い出した。 アルマイトの給食の器に,大嫌いだった山盛りの春雨サラダ。ご飯なんてなかった。連合軍の陰謀のパサパサのパンしかなかった。 1年の時に運動具の倉庫の裏で友人と、“おしっこ”してるところを学校で一番恐い先生に見つかり、翌日ハサミを持った担任の先生にみんなの前で、“おちんちん”だしなさい…って言われたこと。 遊び時間に、蝋マッチをもってきた友人のポケットから火を噴いたこと。 あの頃は、ポケットティッシュなんてなかった。みんな、ちり紙を折って持て行ったっけ…。 5年生の社会のテストで、全然分からなくて隣の席の女の子が答えを全部見せてれくれた。ところが、その娘より点が良くて、二度とカンニングはするまい…と思ったなぁー。 当時、鉄棒で大車輪ができたけど、今は逆上がりができるかしら…。 貧血で、喘息で、学校の三分の一は休んでいた私が、よく今まで生きてこられたものだ。 それも他人より、元気で、幸せに…。 事業がうまくいかずに苦しかった頃のことを思い出した。 口癖のように“どうしたらええんや!”って言ってたなぁー。 あの時は苦しかった。自分が世界で一番苦しいって思えたなぁー。 おまけに、大動脈解離になって…本当に死にかけて…。 あれだけ、目の前に光が見えなかった私が、よく今まで生きてこられたものだ。 それも他人より、元気で、幸せに…。 忘れたらあかんのよね…。あの時のこと。 すべての過去の出来事が、今の自分の身になっているんだ。 今を精一杯生きなあかんのよね…。未来のために…。 |
昨年歯医者に知人ができて、指導を受け日頃の歯磨きの仕方が変わり、一日一回の歯磨きが毎食後になり、おまけに歯間ブラシも使うようになった。それで分かったことに…私の口内の左上奥には毎食後食べ物が詰まる奥歯があることが分かった。気が付くまでの数十年間食べカスが詰まりっぱなしだったと考えるとぞっとする。幸い私には現在のところ治療中の歯はないが、知らずに放っておいたらきっと虫歯になって、この年のことだから、遠くない未来に入れ歯のお世話になることだったろう…。 還暦も近づき、これから幸せな人生を生きていくために健康・体調管理をしっかりやらないといけないと、改めて思う。 ところで、その歯医者の趣味はケーキ作りだ。実は私…昨日の昼間に3台のケーキを作る手伝いをさせられた。決して自分が食べるために作るわけではない。制作途中に味見するくらいで、完成品はすべて他人にあげるために作る。はじめてケーキ作りに立ち会った私は、ケーキがほとんど砂糖だという事を知った。私の知人のお菓子作りは、患者を増やすための陰謀だろうか…? 皆さん、歯磨…しっかり、しましょうね! ケーキもしっかり食べましょうね! それはそうと、私…今日誕生日です。昨日一日早く間違えて、おめでとうメールをもらい…気が付きました。他人から言われないと誕生日を忘れる年になってしまいました。 今日は、いまのところ誰からも言われとらんなぁー。ちょっと寂しいおっさんです。 |
いつだったかのテレビを観ていると、料理に鉄人…ラ・ロシェルの坂井宏行シェフが出ていて、“自分が美味いと思う料理を作って、その料理を食べて20人が美味くないと言った時に、自分の信念を曲げて20人に媚びちゃだめなんです。その人達を切り捨てることができないと、自分の思う料理を作れない。”と、語っていた。 先ほど、私は市の職員に自分のある考えをプレゼンして帰ってきて、担当者に全く反応がなく、少し意気消沈しているところだが、坂井シェフの言葉を思い出して自分を奮い立たせようとしている。 私のプレゼンの仕方が悪く、話す内容に大きな意味がないからだと思われる方もおられるだろうが、私のアイデアは他に類のない新しいもので、優れたものだと信じている。 私は何も書かれていない真っ白な紙に、絵を描くことが好きで、いわば絵を描く前に完成が予想できる。だが、世の中の大多数の人は設計図を見ただけでは完成が予想できない。この度のプレゼンでは完成予想図の提示が少なかったことは認めるが、たった2人の行政マンの心をつかめなかったからと言って主張を曲げたり止めることはない。 坂井シェフは20人だぞ…20人…。 私の考える内容は確かで優れていると信じ、これに懲りずに、媚びずにつき進もう…。 と…自分に鞭うつ。 |
昨日、午後から打ち合わせに行った先で、先方の担当者のオフィスに通された。しばらく待つように言われ、部屋の中を見回していると青い布きれが額に入れて飾ってあったので、何か謂れのあるものかと思い近づいてみると、ダライ・ラマの直筆の言葉が書かれていた。 凄いものがあるものだ…と、思った。この部屋の主はとてもグローバルな感覚の持ち主で、私も一目置く存在である。アメリカ前副大統領と握手している写真とか、海上自衛隊とアメリカ海軍との合同軍事演習を視察した時の写真とかが飾れており、45才くらいなのに、交友関係と見識の深さには目を見張るものがある。 ところが、いざ本題の話し合いを始めると、同席しない自分の部下の性格上の欠点をみんなの前で晒し、話の食い違いの原因を部下のせいにし始めた。一般的に、上司は部外者の前では部下をかばうか、そんな話には触れないのが常識だと思っている私にとっては寝耳に水で、尊敬の眼差しが曇りはじめた。内部の恥をさらす上司に、それじゃー部下はついていかんだろう。 ところが、彼は組織の長であり、事業も成功している。 私の常識を越えた組織論があると思わねばなるまい。 私が経営者でいたころ、部下とのコミュニケーションが取れずに大きなストレスを抱えていたが、彼には確固たる自信があり、人間関係ではあまり悩むことがないのかも知れない。 そう考えると人間関係でストレスを持っていた私自身の器が小さかったと思ってしまう。 しかし、これからも彼との交流が続くと思う私は思った。 多少はあるんだろうな…人間関係での悩み…。 尊敬する彼が、弱みもあり、人間味のある人であってほしいと願い、そう思った。 |
昨日この日記に書いた“ダライ・ラマの直筆の書”の話だ。 濃紺に黒色のマジック?と言う取り合わせだから、約40cm四方の額の内側に青一色があるだけに見えて、遠目に見ると、なかに文字が書かれているとは気が付かない。 部屋の主から、“この額は以前からここにあったけれど、これがダライ・ラマの書だと気が付いたのは、あなたが初めてです。さすがですね!”と、言われた。私には、なにが“さすが”か、分からないのだが、一般の人は、自分の周囲を興味をもって見ていないのかも知れない…。 自分の宝物の話に触れられ、気を良くした部屋の主は“実は、これは青色の布きれの切れ端…周囲がほつれている切れ端ですよ!それをほつれが見えないように私が額装したんです。”と、自慢そうに語った。 “私だったら、切れ端を見せる見せ方をすると思います。”と、すかさず返した。 すると部屋の主は黙ったまま…何かハッと気が付いたような顔になった。 持ち主が良かれと思って、やってることに余計なお世話だろうが、私は黙っていられなかった。物の価値を損なうディスプレイは私の感覚ではありえない。みなさん、そう思いませんか? 自分と違う感覚を持っている者同士だから、話していて吸収できるものがある。 私も彼も、そう思っているから、次回もまた会って、楽しい時間が過ごせるのだろう。 これからも、違う感覚、考え方、反応をする人に、出会ってみたい。 13日の金曜日のジェイソンやエイリアンには会いたいと思わんけどね…。 |