知人の教授が人前で、真剣に話を始めると、その場の空気が変わる。大学を退官されていることもあり肩書きが名誉教授とついているから尚更だ。いやいや肩書きの力だけではない。言葉に力ある。話の内容に聞き耳を立たせる魅力がある。 彼女のように、私も言葉に魂を込めたいが、なかなかできるものではない。伝えようとする意志が不足している。 目の前の望むものを何としても手に入れてきた彼女と、妥協して生きてきた私との人生の差に違いない。 その差だけは、私も経験で分かるのだが、同時に今から真似ができないことも分かるのだ。 少しでも近づきたいという心意気だけは、これからも持っていたい。 |