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SOLILOQUY

ひとりごと

 
October 06, 2014 17:01:40

遺影

カテゴリー: 日記
昨日、私のホールを年2回使ってくれている仲の良いご夫婦が運営しているピアノ教室の発表会があった。
奥さんがピアノの先生だ。そして発表会ではコーヒーマイスターで調律師のご主人が、参加者とその家族に入れ立てコーヒーを振る舞う。

ご主人がコーヒーを立てている目の前の棚に白髪の男性の写真が立てかけてあり、まるで遺影のように感じた。

発表会を終え、片付けにかかったご主人から、10日前に彼の父が大動脈解離で突然死したと聞かされた。発表会を止めようと思ったが、お父さんが好きだったこの会場で発表会を成し遂げることが供養になると思い写真を飾っていたのだと言う。

大動脈解離は、私が9年前に経験し、九死に一生を得た病気だ。

私は同じ病気で倒れたことを告げ、言葉を続けた。
‘私はあの病気を経験して、死とは蛍光燈の光が一瞬にして消えるものだと思っています。その直前に痛みがあるかどうかの差はあるでしょうが、一瞬にして真っ暗になり、目が覚めた時には次の人生が始まっているのです。’
彼は、少し涙目になってこう答えた。‘お父さんが死んだことをふっきれないでいたけれど、お坊さんが語ってくれた話よりも、はっきりと納得できました。帰って母にもこの話をして聞かせます。’と言った。

私は“死”とは、本当にそんなものだと思っている。