酒田市。 「おくりびと」が日本の映画史に残る快挙を残した。 その内容については見てないので分からない。きっといい作品だろう。 雑感ながら、今のご時世、米国を始めナイーブになっており、日本の伝統文化の一つに目新しさもあって共感したといったところだろうか。 日本人が創る日本の純朴さをうたった他の作品も数々あるが。(なお、とある有名な評価所では他作品がダントツだったそうだが。) 今回はその撮影地となった酒田市について かれこれ訪れたのを忘れるくらい前のこと。会社の同僚と談笑(当時社員寮)していた時だ。 夏の連休に岐阜から下北半島までぐるっと一周する同行者を募っていた。 言い出し含め2人いたがガソリン代節減のため、もう一人いないかとのこと。そのうち一人が年上(同期だが大学院卒で3つ上のKさん)だが同郷が近かったよしみもあり、仲良くしていた。 で、いつの間にか一緒にいく羽目になってしまった。 (旅は複数だと、個々の意見を尊重・調整する必要がある。基本は一人で出かける。好きなときに好きなように行動できないような行動の制約があると、旅の醍醐味が半減する。もちろん、多人数での楽しさはあるのだが。) まず富山方面に出て日本海沿いを北上した。 一人は大の酒好き、Kさんは酒好きだがすぐ酔っ払って寝てしまうこの二人が是非、酒田の酒蔵に行きたいと訪れたのが最初だった。 印象はというと漁港をもった日本のどこにでもある平凡な街だ。 そもそも三人の共通点は酒が飲める(自分は日本酒は好まないのだが)、新鮮で美味い海の幸を好むことぐらいだろうか。 酒田に寄ったのはこの単純な理由からだった。着くや否や二人の目的の酒蔵に行こうということになり(半ば連れて行かれた)、市の中心部に現存する唯一の酒造所に行った。 当方の勝手な都合にも関わらず、酒造所の方が懇切に対応頂いた。Kさんは何かと好奇心旺盛な人で根掘り葉掘り質問攻めしていた。 毎年、酒の品評会に出すこと(吟醸酒:米の良いとこ3割のみ使用して製造)、杜氏による手作りメーカとして酒田最後の一軒であること(他メーカは全て機械化に換装)など興味深い話を聞けた。 ちなみに一度、全国品評会で受賞した吟醸酒を頂いたが、日本酒のだめな自分でも水のような感覚で味わえた。良いものは癖がないというが実感した次第だ。 わざわざ宿は海辺近くの民宿を選んだ。やはりこの辺りの日本海の魚は一味違う。かきも広島産とは違い、どちらかというとカナダ産に近いほど大柄だ。 翌朝、漁港市場に行く。新鮮な上、考えられないぐらい安い。入り口付近で保冷庫らしきものがあり、覗くと溢れるほどのシャコ入っている。聞くと横のざる一杯すくって1000円。(記憶が定かでないが300円だったかも)。蒸してもらい即食べる。 先に行くと拳大のホタテ3つの串焼きが、150円。 (なおこの北陸あたりは周辺各地から越前かにの日帰りツアーが多い。生のかに刺身など) 今でも強く印象に残る。 東北地方の特徴か。 独特の訛りとゆったりとしたどこか素朴な話し方は心地よい。 冬の北陸というと豪雪のイメージがあるが、海岸沿いは雪が積もらないらしい。海からのすさまじい強風のためだ。道路沿いにはこの地方独特の防風壁がある。 2度目に山形を訪れたときは寒い時期で、海から少し離れた場所でも突き刺すような風に見舞われたのを思い出す。 なにはともあれ、よいとこだ。 |