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ひろし日記

 
2013-08-20

さきに愛ありて

カテゴリー: 日記
 私は、本を読むのが好きなものですから、「この本がいいですよ」と奨めることがあります。

 そのなかで、女性必読書として、

 魅せられたる魂   ロマン・ロラン
 道標        宮本百合子
 さきに愛ありて   藤原審爾

の、3作品をおすすめしています。

 これらの作品は、時代背景はそれぞれ違いますが、女性の自立をテーマにしたものです。
 魅せられたる魂は、第一次世界大戦の頃の、フランスの女性が主人公です。
 道標も、同じころの、日本の女性が主人公です。

 さきに愛ありては、1970年頃の物語です。
 文庫本で3冊の、かなり長い作品です。

 瀬戸内の小さな市で育った霧子は、列車事故のとき献身的に治療する青年医師にあこがれて、彼にまた出会うために東京の看護師学校にいきます。

 看護師になり、彼とも出会い結婚しますが、「よき妻」のみを求める彼に失望し、離婚します。

 生まれた市にもどり、陶芸家の助言や小さい島での看護師をしますが、陶芸家の死亡後に、窯の管理をするために来た青年と、あらたな生活を求めて出発します。

 長い作品ですが、作者の藤原審爾さんは人物描写がうまいので、読みやすい作品です。
 もう本屋さんにはないでしょうが、図書館には必ずあると思いますので、ぜひ読んでみてください。