新法に基づく移植の第三弾が早くも行われたようだ この新法は海外の貧困な国々へ臓器を買いに行く日本人への批判の対処の他にも 新しい色々な意味を持っている 一つが脳死を積極的に受け入れ臓器をより良い状態で提供できること もう一つが死んでしまった本人の意思を云々せずに遺族の意思のみで 移植を可能にしたこと この新法は移植医療にとっては大きな前進なのであるが 唯一と言えるほどネックになる大きな問題が『脳死判定』の難しさである 一般人には状態の区別以前に脳死と植物状態の概念区別すら出来ない場合が多い しかも、その状態の違いは必ずしも明確ではなくそれがその判定を専門家にも 難しいものにしている さらに厄介なのが植物状態や脳死に限りなく近い無反応な状態でも実は 本人には意識があったり、奇跡的に回復するという幸運が極稀に訪れることである そして多くの家族はこうした奇跡を強く願い、ほんの僅かな望みでも捨てきれないのである 今後に望まれるのは判定の精度確度の向上とその技術の確立になるだろう |