このたび、私が25年前にお世話になった方に会うことになった。すでにご主人は亡くなっており奥さん一人で訪ねてこられた。 20年ぶりで出会った彼女は思ったほど老け込んでおらず、お元気そうに見えたが、話し始めた…この20年間の彼女の人生は、山から谷への大変動のなか、最近やっと落ち着いたのだと分かった。 ご主人が亡くなり、何不自由ない人生が一転…、家屋敷を手放し、助けてくれていると思っていた知人には裏切られ、子供達が通っていた外国人学校(英語)も、授業料の大半を免除してもらい本人が授業前に学校で掃除のアルバイトをさせてもらいながらの卒業だったと言うのだ。 それでも、彼女は誰も恨んでいない。身に降りかかった苦労は全て、これから人生を生き抜くための糧となったのだろう。今の彼女の顔には慈愛が満ちていた。仕事をしながら老人介護のボランティアもしっかりこなしている。 目の前におこるすべてのことは、これからの人生を生きるために必要なこと…。 彼女はきっと、そう結論に至ったに違いない。 彼女とは、今後もお付き合いすることになるだろう。 それにしても、私の周りには、転がり落ちた人生を歩む人達がどうして、こんなに多いのだろう。 そして、みんなそのことを、しっかり栄養分として自分のなかに取り込んでいる。 それは、私が以前同じように生きたからに違いない。 |
昨晩、私の会場で合コンが開かれた。私の知人二人の男女が主催して、知り合いを集めて行われたもので、女性の年齢が20代後半から30代半ば…、男性が30才前半から40才半ばまでの面々である。 私も参加したかった?のだが、年齢制限ではじかれた。 最初の準備だけ、少し手伝い、後は酒・食事の提供をまかされたマダムに任せて家路についた。 さきほど、主催した女性に電話で聞いてみた。 合コンは終始女性が積極的にアプローチし、女性達が酒をついで回り、酒も買い足しに出るほど予想を上回り消費され、盛り上がって終わったそうである。女性のほうが積極的なのは世相を表していると考えていいのだろう。 主催者の知人二人は既婚者ということで、このたびは友人の良縁を思ってのボランティアとのこと…、そんなことで私も会場費をまともにいただかずに協力した。 せっかく私の会場で行われた合コンだから、何組かゴールインしてほしいものだ。 二度目が開かれるかどうか分からないが、知人たちが私も参加できる企画を立ててくれることを期待したい。 |
私が若かりし頃に訪ねたアメリカの田舎町。 近いうちに、また行こうと思いつつ、35年が経ってしまった。あの町で出会った美術館のキュレーターやホテルのスタッフは、もういないだろう。家を訪ねた画家は病気で手が動かなくなり、あの町を離れたと30年前に報せを受けた。きっともう亡くなられたに違いない。 もう一度町を訪ねると声をかけた…、今はもういない町の人々の約束を果たしたいという思いが頭をもたげた。 この35年で、町は、何が変わり、何が変わらないだろうか? この35年で、私は、何が変わり、何が変わらないだろうか? 確かめてみたいという思いで、今秋、旅に出ようと思う。 |
私が宝くじで1億円以上当たったら、みんなでアラスカ旅行に行きましょう…と、マダムに言った。 今、サマージャンボが売り出されているが、私は昨年買ったサマージャンボの宝くじを、当選番号を確かめずにそのまま持っていて、おそらくこれが当たっていると信じている。 気を付けなくてはいけないのが、引き換え期限が近づいていることだ。確か8月半ばを過ぎるとなにももらえない。 いつも、新しいくじを買いに行った時に前回買ったくじを売場のおばさんに見てもらっているので、1年近く買ってないことになる。 次回はいくら買おうかな? マダムをアラスカに招待する時は、その間の休業補償も必要だろうか?いや、それはないだろう。 …なんてことを考えていると、幸せになってくる。 |
IKEAに行ってみた。今、仕事用のデスクチェアを探している。少し良いものがほしくなった。 高いもので2万円程度の見本がたくさん並んでいた。もう一つピタッとくるものがなく、IKEAを出て大手の家具専門店にも行ってみた。そこでは私一人に一人の営業担当者が付き、売場まで連れていかれ説明を受けた。最初に見せられたのがアメリカのメーカーで一脚が16万円のものだった。同じ価格帯の商品説明が続いた。 次に店の一押しだと言う6万円台の椅子を見せられた。安く感じた。私は基本的な営業テクニックにはまっていると思った。 しかし自分で座ってみたら、確かに座り心地が良く、担当者の説明もありIKEAの椅子との違いがよく分かった。1時間ほど説明を受け、次の予定があったから即決せずに店を出た。 最近安いものばかり買っていたから、久しぶりで良いものが良いという感覚が蘇った。特に椅子は靴と同じように長時間身に付くものだ。本当に自分にあったものは少々高くても手に入れるようにしようと思った。 そうすれば、もっと良いことがやってくると言う感覚を思い出すことができた一日だった。 私は、今…人生のおいて良い流れのなかにいるに違いない。 |
私から何も告げずに離れて行った人がいて、離れて行った理由が10年分からなかった。先日彼女との共通の知人との会話のなかで、その話題になり私の心当たりの理由を話してみた。すると知人は最近彼女から思いを告げられており、私の心当たりがすべて正しいと言ってくれた。 それを知ったら、はじめて“申し訳ない。悪かった。”と言う思いが腹の底から湧いてきて、改めて彼女の幸せを祈った。 私は、あの当時と比べ格段に成長できた。そうなるまでに10年と言う時間が必要だった。その時間を与えてくれたすべてのものに感謝したい。 |
世の中には大人が少ない。私が大人の仲間入りができた時…は50才を過ぎていた。中学生の時から子供と二人で生活したが、子供の私が、よく自分の子供を育てたものだ。まさに彼が登校拒否をしていた時…なすすべがなかった。 あの頃は、死ぬことが恐かったし、世の中には自分ではどうすることもできない壁があると思っていたし、背伸びして大人のフリをして生きていた。 今では、数秒後に死んでしまうこともあると思っているし、世の中には乗り越えられない壁はないと思っているし、こどものように周囲に囚われないで自分を表現できる。 これからの人生は、いい大人の顔をして生きていきたい。 そんなことを考えていたら、自分が数少ない大人のなかの、まだ子供だと思えてきた。 死ぬまでに本当の大人になれればいんだが…。 ダメなら生まれ変わって、また大人を目指して生きることにしよう…。 |