1982年、ブライアン・L・ワイス博士(元マイアミ大学医学部精神科教授)が、キャサリンという被験者に退行催眠を行っていた時のことでした。………。それまで、キャサリンの「水」に対する恐怖心の原因をさぐろうと、幼いころにまで記憶をさかのぼらせても原因が見あたらなかったため、ワイス博士は、「症状の原因となった時にまで戻りなさい」という、漠然とした指示を行ってみました。 ワイス博士は、その時のできごとを、次のように記しています。 ―――――――――――――― 「あなたの症状の原因となった時にまで戻りなさい」 その後に起こったことに対して、私(ワイス博士)は、まったく心の用意ができていなかった。 「建物に向かって白い階段が見えます。柱のたくさんある白い建物で、前の方は開いています。入口はありません。私は長いドレスを来ています。ごわごわした布でできた袋のような服です。私の髪は長い金髪で編んでいます。」 私は、何が何だか、わからなかった。いったい何が起こっているのだろうか。それは、いつのことであなたの名前は何というのか、と彼女に質問した。(ツヅク) (『生きがいの創造』 飯田史彦著 PHP研究所[文庫]刊 20世紀版より)、(『前生療法』 ブライアン・L・ワイス著 山川紘矢・亜希子訳 PHP研究所[文庫]刊) |