【幸彦さんの彼女】 その後も幸彦さんとは毎日メールをやりとりし ある時期から彼女の事も話してくれるようになった。 彼女は美幸さんと言い27才のイベント会社に勤めるキャリアウーマン。 幸彦さんとは趣味も合うみたい。 何故幸彦さんは私に彼女の話までするのだろう・・・・ 冷静に考えれば18才の子供みたいな私より美幸さんの方が絶対にお似合い。 なのに何故私とも話しをするのだろう・・・・ わかんないや・・・・ でも幸彦さんと話が出来るならそれだけで私は幸せ・・・・ 幸彦さんが美幸さんの事が好きなら私は邪魔にならないようにしたいな・・・・ でも幸彦さんと話はしていたい・・・・ 私は幸彦さんと話ができればそれで・・・・ 【美幸さんとの別れ、そして・・・】 幸彦さんと話始めてかれこれ2ヶ月が経つ頃 普段仕事中でメールの来ない時間に突然幸彦さんからのメールが・・・ 「睦、ごめん。私が想いを寄せる女性のお父さんが仕事中に倒れ、危篤に・・・・ 私は彼女を励まし見守ってあげたい。」 衝撃的な内容だった。 やはり私の存在は小さなものだったのね・・・・ でも私は幸彦さんが好き、だから幸彦さんの重荷にはなりたくない。 「私の事はいいの。彼女さんを励ましてあげて・・・・」 幸彦さんは美幸さんのために・・・・ 何て優しい方なの・・・・ 私は幸彦さんが好き、でも幸彦さんの重荷にはなりたくない・・・・ 私はもう幸彦さんから連絡が来ることはないと判っていた。 それでも、もし幸彦さんから連絡がきたら直ぐに返信しよう 不安が募り心に北風が吹いた時、母の言葉を思い出した。 「どうしたの?失恋でもしたの?太陽は沈んでも必ずまた陽は昇るのよ。 睦が好きになった男性なら素敵な方なんでしょう。自分を信じて、その男性の事も信じなさい。 睦の一途な想いは必ずその方に届くのよ。」 私が諦めたら幸彦さんの心から私の存在が消える。 私は幸彦さんからの連絡が必ずあると信じ、携帯を手放さなかった。 数日間彼からの連絡がなく、彼への想いに迷いが生じようとした金曜の夜 あの懐かしいメールの着信音が・・・・ 慌てて携帯を開くとこんなメッセージが 「睦、こんばんは。どうしてる?少し話がしたい」 えっ、本当! すかさず返信をする。 「エヘヘ、ずっと待ってた。」 嬉しくて自然と涙が・・・・ また携帯に懐かしい着信音が・・・ 「睦、これまでごめん。彼女から別れを告げられた。 もう彼女とは連絡が取れない。 だからではないが、睦とだけ話しがしたい」 えっ、えっ・・・・ 何がどうなってるの・・・・ 頭の中が混乱した。 数日前のメールを読み返し 「彼女さんのお父さんは・・・・」 しばらく沈黙が続きまたあの着信音が 「危篤は脱したそうだがもう仕事はできないそうです。」 幸彦さんのこと、彼女のために精一杯の事をしたであろうことは判っていた。 「幸彦さん、大変でしたね。お疲れ様でした。優しい幸彦さんだから仕方がないよ。 私はいいの、幸彦さんの心の中に僅かでも私の存在があればそれで・・・・」 この数日間、彼からの連絡を待ち安眠できなかったがこれでやっと・・・・ 涙が止め処なく溢れてきた。 「幸彦さん、嬉しくて涙が止まらないよ・・・・」 すると 「睦、ごめんね。これからは睦との時間を大切にするよ」 幸彦さん・・・・嬉しい・・・・ 安心した私はメールのやりとりをしている間に寝落ちてしまったようでした。 翌朝、あの着信音で目覚めると 「睦、おはよう!これからは睦とだけ話すからね。」 それを見て、嬉しく止まらない涙 その時あの母の言葉を思い出した。 「どうしたの?失恋でもしたの?太陽は沈んでも必ずまた陽は昇るのよ。 睦が好きになった男性なら素敵な方なんでしょう。自分を信じて、その男性の事も信じなさい。 睦の一途な想いは必ずその方に届くのよ。」 後編に続く |