幸彦:「なあ睦、次の日曜日に海に行かないか?」 睦:「いいけど、急にどうしたの・・・」 幸彦:「睦と一緒に海が見たくなったんだ・・・」 睦:「うん、いいよ」 日曜日、私は車を走らせ睦を迎えに行き、海を目指しました。 海に着くと2人で浜辺を歩きながら私は睦と話を始めます・・・ 幸彦:「睦、俺達もう永いよな・・・」 睦:「・・・・・」 幸彦:「あの時のこと、覚えてる?」 睦:「あの時?」 幸彦:「告白したときのこと・・・」 睦:「うん、嬉しかった・・・ あの時が私達のスタートだったのよね」 幸彦:「今でも思い出すなぁ」 幸彦はそのときの状況を思い出していた・・・ 高校2年の春 放課後の教室で、偶然睦と2人だけになったとき、以前から睦に好意を寄せていた幸彦は 幸彦:「睦さん、以前から素敵な人だなと思っていたんだけど・・・ 私と付き合ってくれない?」 睦:「えっ、何突然・・・」 幸彦:「前から言おうとしていたんだけど、タイミングがなかったんだ。」 睦:「私ね、幸彦さん好きだよ。 でもね、今は勉強を第一に考えたいの・・・」 幸彦:「じゃ、一緒に勉強しよう・・・」 睦:「うん、わかった。私、頭悪いからいっぱい教えてね。」 幸彦:「俺もあんまり頭良くないけど一緒に頑張ろう。」 それからの2人は互いに勉強する同士として、時にはライバルとして切磋琢磨し同じ大学への進学が決まりました。 ある晴れた日、2人で散歩をしていると 目の前に1つの餌箱を囲み、数ひきの猫が集まっていました。 幸彦:「睦、猫可愛いね。」 睦:「うん、あんな風に仲睦まじくなりたいなぁ・・・」 幸彦:「そうだね。だけど今はお互いにまだ大学生、勉強も大事だよ。」 睦:「うん、わかってる。」 大学で互いに専攻するものは違っていたが、お互いに励まし合い、2人とも4年生の秋には就職先も決まっていた。 幸彦:「なあ睦、俺達もう卒業するだけになった。 今年のクリスマスは一緒に過ごそう・・・」 睦:「うん、自分達へのご褒美だね。」 その年のクリスマス 私は睦が好きそうなクリスマスツリーをを用意し睦の部屋に向う。 睦:「うわぁ~、素敵~、ありがとう・・・」 清しこの夜、2人は結ばれました。 2人はより強い絆で結ばれ、無事大学を卒業。 社会人になってからの2人は毎週のようにデート。 翌年のクリスマスが近づくころ公園を散歩していると・・・ 幸彦:「睦、俺達ずっと一緒にいような・・・」 睦:「うん、そうだね。」 気がつくと2人の前には傾いた陽によって描き出された長い影が伸びていた。 私はそっと睦の手を取りしっかり握った。 幸彦はこれまでの事を思い出していた。 睦:「でも本当に永かったね。」 幸彦:「この素敵な海のように睦への想いは永遠なのさ・・・」 睦:「うん、嬉しい。 でもいつまでこのままなの・・・ 私達もう40過ぎよ・・・」 |