【睦への想い】 美幸のお父さんが倒れたと連絡が入った時、私は何故か睦にその話を伝えていた。 「睦、ごめん。私が話をしている女性のお父さんが仕事中に倒れ、危篤に・・・ 私は彼女を励まし力になってあげたい。」 すると睦から 「私の事はいいの、彼女さんを励ましてあげて・・・・」 それ以来、睦へメールを送ることはなくなった。 睦からもメールは来ない。 私は美幸を励ましつつも心のどこかに睦の存在が微かにあった。 美幸から別れを告げられしばらく落ち込んでいた時、睦の事が気になってきた。 睦とのメールが途絶えてから2週間が経っていた。 ある金曜の夜、久々に睦に向けメールを送った。 「睦、こんばんは。どうしてる?少し話しがしたい」 すかさず睦から返信が来た。 「エヘヘ、ずっと待ってた。」 メール送信して直ぐ返信があることからみて、常に携帯とにらめっこしていたようだ。 22も年の離れた睦にはそれまでも本心を話していた。 「睦、これまでごめん。彼女から別れを告げられた。 もう彼女とは連絡が取れない。 だからではないが、睦とだけ話がしたい」 すると「彼女さんの父さんは・・・」 「危篤状態は脱したそうだがもう仕事はできないそうです。」 「幸彦さん、大変でしたね。お疲れ様でした。優しい幸彦さんだから仕方ないよ。 私はいいの、幸彦さんの心に中に僅かでも私の存在があればそれで・・・・」 睦の言葉にまた目頭が熱くなり、睦がより一層愛しく想えた。 すると睦から 「幸彦さん嬉しくて涙だ止まらないよ・・・」 「睦、ごめんね。これからは睦との時間を大切にするよ」 それから睦とは毎日、毎日メールで会話を続けました。 【告白】 美幸と別れ睦とだけ話をするようになって1ヶ月が経った時 「ねえ睦、そろそろデートしようか?」 すると睦から 「私なんかでいいの?」 すかさず 「それは私の言うべき言葉。年の差の話はしたくないけど22才も年が離れ、睦は未だ18才の未成年。見ようによっては親子だよ?」 しばらくの沈黙の後 「私、幸彦さんが好きです。」 突然、彼女からの告白 「睦ごめん、嬉しいけどその言葉は私に言わせてくれ」 「・・・・・うん。」 それから日曜日にデートの約束をし、いつもの会話を始める。 日曜日、待ち合わせ場所に行くと150cmほどの可愛らしい女性が待っていました。 初めて見る睦。 まだあどけなさを残した可愛らしい女性。 2人で映画を観てその後、広い大きな公園で手を繋ぎ散歩。 ベンチに腰掛け話を弾ませる。 時が経つのも忘れた2人の前には、陽が傾き真っ赤な夕陽が微笑んでいた。 このタイミングを待っていた。今しかない・・・ 「睦、今日は楽しかったね。今日始めて会ったけど睦は常に私の心の中に存在していたんだ。 これまで悲しい想いをさせてしまったこともあったが今の私には睦が必要なんだ! 睦、好きです。これから2人で同じ時を刻んでいこう。」 睦は大粒の涙を流しながら「うん、うん」と何度も何度も頷いた。 私は睦の頬を伝う涙を拭い、そっとキスをした。 【エピローグ】 あれから2年 私は42才になり隣には睦がいます。 彼女の手には可愛らしい女の子が微笑んでいます。 睦は私の妻でありながら、母であり、パティシエ養成の学校に通う学生でもあります。 いつか、2人でケーキ屋を開こう・・・・ |