別の夜、私は夢の中で問いかけていた。 「あなたはいつも、すべての人は平等だと言っていますが、それは明らかに事実と相反していると思います。徳の高さ、自制心、財産、権利、能力、才能、知識、数学の実力など、どれも不平等ではないですか?」 答えは、例え話で返って来た。 「それはいわば大きなダイアモンドが、それぞれの人の内に見つけられなければならないということなのだ。直径が30cmの大きなダイアモンドを想像してみなさい。そのダイアモンドには、1000個の面があるが、そのどれも泥や油にまみれている。一つ一つの面が、キラキラと輝き出し、虹の光を反射するようになるまで磨いてゆくのが、魂の仕事なのだ。」 (『前世療法』 ブライアン・L・ワイス著 山川紘矢・亜希子訳 PHP研究所[文庫]刊より) |