白と青の広がる、空の下で泣いていた…
優しいものが、頬に触れたのを感じたので、目をあけると、真っ白な羽が足元に落ちていた。
その瞬間が、君との出会いだった…
‡
「私と付き合ってくれませんか?」
「僕は明日、死んでしまいます。」
「知っています。」
「僕なんかと、なぜ、付き合ってくれるのですか?」
「好きだからです。」
「何をしましょうか?」
「あなたの姿を見せてください。」
「失礼ですが、君は目が見えないのでは?」
…………………
あなたへの想い
…………………
目は見えませんが
耳で、あなたの言葉を聞いて
鼻で、あなたの存在を知り
手で、あなたの気持ちを確かめたい。
そうすれば、あなたの姿が見えるから…
私の中で、生きてください。
私の事を、忘れないでください。
私は、あなたをずっと見ていました。
私が、あなたを護ります。
………………
…………
……
気がつけば…
君は僕で
僕は君だった。
忘れるはずもない…
弱くて優しい君は
僕だから…
………………
君と僕の理由
………………
「なぜ君は僕が死ぬのを知っているのですか?」
「あなたが私を呼んだからです。」
「いつ……ですか?」
「あなたは昨日、死を選択しました。だから私は来ました。」
「君は誰ですか?」
「あなたの、生と死です。」
…………
わたしは
…………
ずっと、あなたを見ていました。
生まる前から
この瞬間までの全てを…
あなたは泣いていた。
叶えられない夢だと知ったから…
なぜ、諦めてしまったの?
なぜ、叶えられないと思ったの?
なぜ、私を呼んでしまったの?
ちゃんと確かめてごらんよ…
まだ繋がっているから…
大丈夫だから…
いつか分かってもらえるから…
まだ歩けるでしょ?
あなたには、まだ出来る事があります。
思い出して…
やり残した事はなに?
………
…………
気がつけば君の姿はなく
足元にあった真っ白な羽が、風に靡かれて舞い飛び、僕の頬を優しく撫でた…
僕は空を見上げて、君を探したけれど
太陽の眩しさと、君の優しさで溢れ出した涙が、白と青を歪ましてしまい、君を見つける事ができなかった。
「ありがとう、ね」
そして、僕の涙はとまる。
…………
…………
あれから一年
時々、君と同じ色をしている人と、すれ違う事があるんだ。
君の話してくれた「繋がり」なのかな…
僕はあの日からずっと、君を探している。
答えを聞くために…
何の為に
生きてるの?
何の為に
死んでいくの?
心はどこに
繋がっているの?
君が僕に、話をした続きを聞きたいんだ。
「無から生れてこない私達は、決して無になることはないですよ。」
まだ、僕は生きている…
盲目の君が、僕をみつけてくれた理由…
君に、また逢えたなら、その答えがわかるような気がしたから…
………………
未来への念い
………………
あなたが一番、幸せを感じた事は何ですか?
あなたが一番、辛いと感じた事は何ですか?
あなたが最後に、見たいものは何ですか?
あなたが最後に、伝えたい事は何ですか?
あなたが最後に、逢いたい人は誰ですか?
私は、あなたを見つける事ができます。
それは、私が、あなたをずっと見ていたからです。
あなたは、過去に私を見つける事ができなかった…
心は繰り返し生れ変わり、目的を果たすまで、何度でもすれ違います。
あなたは、本当に愛したい人を、愛しましたか?
あなたは、本当に愛されたい人に、愛されましたか?
あなたが、死を決めた時、誰を念いましたか?
あなたが、生を決めた時、誰を念いますか?
強い念いは、未来に繋がります。
だから、
また、私を探してくれるのなら、一日でも永く、生きて念い続けてください。
同じ時代に
生まれてくる為に…
……………
君への永遠
……………
そこに君がいたから
夢だとすぐに気がついた
夢の中で君を見つけた
夢の中で君に逢えた
夢の中で君と話をした
夢の中で君を好きになった
夢の中で君に触れた
夢が終わるまで君の側にいた
やっと見つけたよ
君が盲目の理由がようやく分かった
時代を越えて、逢いにきてくれたんだね…
白と青の広がる、空の下で永遠の誓いと、君が眠る場所の隣に撫子の種を植えた。
僕は、今を生きるけれど
那由他の時が、かかろうと
刹那の希望しか、なかろうと
必ず君に逢いにいくよ。
太陽の光りと柔らかい風が僕を包んでくれた。
目を閉じると、いつでも君がいる。
君だけを見ていたい。
ずっと、そうしていたい。
悲しい時にだけ、涙が出るものではない。
君への念いで溢れ出した涙が、導かれていくかのように、撫子の種を植えた場所へと流れだす。
太陽の暖かさと、風の強さが増したような気がした。
∞
「ありがとう」
†
優しいものが、頬に触れたのを感じたので、目をあけると、真っ白な羽が足元に落ちていた。
その瞬間が、君との再会だった…
This is the original of the picture book.
I wrote it for you.
2009年6月10日
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そこには、大好きな君が僕の傍にいてくれますように…