今年もラスト1日ということで。。。ラスト・サムライをレビュー。 渡辺謙、日本で一番武将が似合うのではないか。 最初に鎧を着て登場するシーン、オールグレン大尉(トム・クルーズ)を見つめる姿が決まっている。 だが作品的にはやはりアメリカから作った日本映画らしさが満載だ。 勝元(渡辺謙)の宴に襲ってくる刺客の忍者たち。 近代化を推し進める政府側が古風な忍者とは驚かされます。 やはりアメリカ人はニンジャが登場しないと納得しないのだろう。 しかし戦闘シーンはかなりの迫力があり見ごたえはあった。 また勝元が天皇に呼ばれ参議のいる会議場に帯刀をして現れるシーン。 あまり気がつく人は少ないだろうが参議たちの後ろに天皇がいる。 後ろはいいが参議の配列が良くない。 天皇にお尻を向けた円卓のような会議場になっており礼を欠いていて日本的には考えられない。 最後の勝元が死ぬシーンも日本人として恥ずかしくなったところである。 将校が一人ゆっくりひざまずき手をついておじぎをする。 そこまではよし!としよう。 しかし一兵卒がみんな座っておじぎをするのは絵的にもかなり変だ。 兵隊はほとんど農民出身だろうから武士の習いで礼をするのはおかしい。 そこはアメリカらしく帽子をとって頭を下げるくらいで良かった。 亡くなる寸前サクラを散らすのはいい、しかしあまりに美しく表現しすぎてくどくなった。 まぁ、あまり指摘しても仕方がない。 もし日本人が西洋の時代劇を撮ったら同じような表現をしてしまうだろう。 日本を舞台にハリウッド作品として発表したことに喜ぶべきだろう。 この作品、日本の役者陣はキャラが生きていて健闘していたと思う。 渡辺謙も世界で演技が認められたわけだし、真田広之の武将も素晴らしい。 トム・クルーズとの剣さばきのシーン、大物スターと対等に渡り合っていた。 寡黙でオールグレンの後をついて歩く侍も最後は本当の護衛のように死んでいった。 癒し系の小雪は存在感のある勝元の妹たかを静かに演じていた。 さて物語はどうやって終わらすかが大事だがこれはけっこう気に入っている。 戦が終わりオールグレンが天皇に謁見したとき「勝元の死に様を教えてくれ」と聞かれた。 彼は静かに「生き様をお話しましょう。」と言う。 そして戦いのない安らぎを求めて一人たかのいる村へと帰ってきた。 たかを見つめ、青い目のサムライは優しく微笑むのだった。 ついに彼は安住の地を見つけたのである。 では、よいお年を。。。 |