自責 ただ正直に言えなかった。 理由を考えて偶然を装い、そっとドアを開ける。 中に入る前はいつもなんだか照れくさい。 本当はちょっと会話したい気があるが、無理に喋らなくても構わない 紳士的に気取ってはいるが、役に不相応の3流役者では滑稽でかっこ悪い。 あいにく道化師になれない自分がいる。 ここに来るのは今日が最後。とうとう本当のことは話せなかった・・・ 一度連絡したついでに話そうとしたが、彼女は病床に伏せていて世間話で終わった。 言い訳がましい自分がいて嫌になってくる。 元々病弱だったが、病院にいる分けは説明が難しいといって話してはくれなかった。 もう話そうと思っても伝える事ができない。当時とは何も変わってない記憶。 明らかに変わったのは鏡に前にいる色落ちした姿だけだ。 |