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自然派の気ままに一言

 
2009-01-27

禅体験

カテゴリー: 日記
人生について迷いが生じた。
そんなとき、ふと禅寺に行こうと思った。(自分は無信教者だが)

阿蘇に金剛宝寺なるところで修業体験の受け入れがあった。
長期の出張帰りの折、次の仕事まで間があったので有給をとって
出かけることにした。(有名になった黒川温泉も程近い)

着替えを少々もっていざ向かう。到着すると2~3の女の子グループ
がいた。男はひとりだがまあいい。
周囲は茂みに囲まれて、下界とは隔離されている。(雑音が入らず丁度いい)

毎日は朝のおつとめ(読経)、掃除から始まり、写経、禅、炊事と宗教行事
、生活行事をする。(昔から炊事だけは苦手なので、作るのは女性陣に任せて
洗い物ばかりしていた。)
昼の行事は日替わりで異なり、世話してくれるお坊さんがその日の予定を決め
てくれる。(体験者に飽きさせないようにその日の行事を決定。)

普段しない座禅は足に堪える。それでも一時のことなので踏ん張るも、すぐ
つってしまい我ながら情けない。
(本当は棒で肩をパチンと叩かれるあの修行をイメージしていたが、ソフトな
体験という感じだった。)

修行?のなかに水行なるものがある。来院前にどこかの広告で見たのか一人の
女の子が水行をやりたいという。
敷地内のすぐ横に小さな川があり、そこで男性はふんどし姿、女性は木綿の上下を
纏い川に浸かって読経する。(見ず知らずの女の子の前で露出するのは、水泳をやってた
とき以来だ。)
さすがに夏といえ山の水は刺すように冷たい。なんとも何を喋ってるか分からないうちに終わる。

次の日また別の女の子グループが来た。また、水行がやりたいという。1日で懲りて
勘弁してほしいと思いつつ参加しないわけにはいかない。
がまんがまん、帰りにあったかい温泉にでも入ろう!と自らを慰めつつ水行終了。
(雑念と一緒に精気も流れたのような)

食事のときお坊さんが肉類を口にするのが善か悪かの話があった。(宗派ごとに見解は
違うのだが) 自分たちの宗派?では生きてる動物を殺生し食べるのは非で、死んだもの
を食べるのは良とのことだった。
(あと付けの単なる理屈としか思えないのだが。 話はそれるが人は結果に対して、自分
の都合のいいように後から解釈を付け納得させる傾向に陥りやすいと何某かの学者が言っていた。)

オプション?世話役が隣接する山の頂上まで行くが自由参加なのでどうですかという。
全員行ったがこれがまたハードだった。
途中で拾った木の枝を杖にして急斜面の獣道を一気に駆け上がる(数百mどごろではない)。
体力には些か自信はあったが、さすがに堪えた。何度も水分補給のための小休止を挟みながら登頂。(お坊さんで1、2日おきに散歩代わりに行く人がいるらしく感服)
周りは木々、茂みだらけで普段、人跡がないところだ。しかし、阿蘇の周りの山々が見渡せて絶景だ。

日々のおつとめでは都度、お坊さんと共に袈裟を纏って礼拝だ。ひと時、厳かに身が引き締まる思いとなる。袈裟は冠婚葬祭で何気なく見るが、着せられてるという感じで体が重かった。

終了後、自分自身の変化は感じなかったが、世の中の知らない範囲を体験できたという意味でいい経験だったのか。本格的な山篭りとはいかなかったのだが。