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窓を大きく開いて淡い黄土色の風を肌で感じる 遠くに響く打ち上げ花火の低く太い音が夜の静けさに響く。 あぁ…季節が変わるんだなぁ 夜空を見上げると星たちが優しく輝いていた… 今、生きている。 ゆっくり、深く、見上げた闇の中の光に向かって深呼吸してみた! |
肌を滑る涼しい風を感じながらゆっくり寝ていたい気持ちを抑えながら体を起こし顔を洗い、車を走らせいつものように青に逢いに北に向かった。 街並を抜けて、木々の間を抜けて、国道を進んでいくと、赤いギターだけを乗せた誰もいない助手席の窓の向うにコバルトブルー、アクアマリン、薄黄緑、光を弾きながら濃淡鮮やかに分かれた青が顔を覗かせてきた。 季節の移り変わりを感じさせる淡く色褪せてきた空の青、季節の移り変わりをまだ拒否するかのように自己主張する海の青、そして頬の上を反射する光に目を細めた。 青の向うに視線を投げると、陽の出まで降り続いていた雨が目に見えない小さな雫となって七色の幸せをプレゼントしてくれた。 何気ない日々のなかの何気ない景色、何気ない変化を感じる心をいつまでも大事にしていたい。視界に飛び込むコントラスト、まだ鳴きやまない蝉の声、遠くで形を変えてゆく雲が慌ただしく流れ、僕はアクセルを緩めた。 |
曇り空…いつもと違う味わいがあって実は好きです。 町や海、日常を照らす光を遮るネズミ色の間から風の流れで突然現れる青さが優しくて眩しくて愛しくて。そんな淡い光を見上げていると『生きている』ことを実感します。 なんだかオルゴールのシンプルで空間のある響きがとても似合うな、と感じちゃいます。 ゆっくり深呼吸してみよっかな? |
『本』『言葉』とは面白いもので、はじめはただ耳をかすめて、視線の先を通りすぎるだけだったものが何度も何度も繰り返して読んでいるうちに自分の生活のなかに急に当てはまることがあるよね。 その『はっ!!』とした瞬間。新たな気付きと成長があまりにも心地好くて嬉しくなります。 セピア色に染まり暮れゆく空を窓からみあげながら新しい気付きに胸を熱くしています。 |
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