おばぁちゃんはベッドの上で 今を朧気に 遠い遠い過去を遡り 分からないと笑いながら 私の手を握る。 久しぶりに病院に顔を出したら 私の顔は分かるけど 名前を思い出せず、言ってることも何処かちぐはぐで 今まで私の名前を忘れることはなかったのに.... 胸がぎゅって詰まった 忘れられることは その人の中から私がいなくなること 全て何もかも、消えてなくなること... なんて悲しい それはなんて苦しいことなのかな... 会話をするうちに ちゃんと私を私だと認識したようで 帰る頃には 私の知ってるおばぁちゃんに、ちゃんと戻ってた。 だけどいつか...本当に分からなくなる日が来るかもしれない ‥‥‥いたいね.... そのとき私は逃げ出さず 私だょって、めげずにちゃんと向き合えるかな... 『明日も来るね』 そう言った時の顔と 握った手の暖かさが まだ残ってる |