猫は薄情だ、とか、飼い主じゃなくて家につく、とよく聞く。 犬ではよく忠犬だとか名犬とか言われるが、猫ではあまり聞かれない。 ただ、落語の世界ではちょっと様子が違うようで。 墨田区両国に回向院(えこういん)というお寺がある。 ここは天下の大泥棒「鼠小僧次郎吉」の墓があることでも有名なお寺。 その鼠小僧の墓の隣に、落語「猫定」の主人公の猫の墓がある。 ねずみの隣に猫の墓を作るなんて、いかにも洒落好きな江戸っ子らしい。 「猫定」は命を救われた猫が飼い主の敵討ちをする、という噺。 作り話だよ、と言われればそれまでですが、猫も本当に可愛がってくれる人をちゃんとわかっているのでしょう。 |