ギリシャ危機 混乱拍車に懸念を強めたG20
ギリシャ危機の再燃で世界の市場が動揺し、先進国と新興国の懸念は一段と強まっている。
混乱に拍車をかけた震源地ギリシャと、仏独など欧州の責任は重い。
日米と中国、インドなどが出席し、仏カンヌで開かれた主要20か国・地域(G20)首脳会議は、首脳宣言を採択した。
危機封じこめへ、首脳宣言が欧州にギリシャ支援策の迅速な実行を求めるとともに、欧州を支える結束を確認したのは妥当だ。
宣言はまた、財政赤字を抱えるイタリアが国際通貨基金(IMF)の監視を受け入れたことを歓迎した。信用不安の拡大を防ぐ効果が期待されよう。
今回の首脳会議は、ギリシャ情勢に振り回された。パパンドレウ首相が会議直前になって、ユーロ圏が先週まとめた包括支援策を受け入れるかどうか、国民投票を実施すると表明したからだ。
支援策は、ギリシャ国債元本の50%削減、ギリシャ国債などを保有する銀行の資本増強、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充策が柱だ。ひとまず、危機収束に前進したと評価されただけに、国民投票の提案は無責任に過ぎる。
投票で支援策受け入れが可決される保証はない。否決されれば危機に歯止めがかからなくなる。世界の市場の混乱は不可避だ。
G20でギリシャ批判が噴出したのは当然だった。自国内からも反発を浴び、パパンドレウ首相は国民投票の提案を撤回したが、先行きは不透明といえる。
いま最も重要なのは、ギリシャが支援策を受け入れ、危機を乗り切ることである。併せて、公務員削減など痛みの伴う緊縮財政政策を実行することが欠かせない。
通貨ユーロを守るため、仏独両国も指導力を発揮すべきだ。
G20は、欧州支援にIMFを活用する点で一致し、日米などの資金援助も期待される。だが、いずれも欧州の自助努力が前提だ。
一方、首脳会議で、G20各国が財政再建と経済成長の両立へ行動計画をまとめた意義は大きい。
野田首相は、2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げる方針を表明し、行動計画に盛り込まれた。日本の財政再建は待ったなしだ。国際公約の実現へ、調整を加速してもらいたい。
欧州危機に連動した円急騰について、首相は、日本の景気回復に悪影響を与えると述べ、単独での為替介入実施に理解を求めた。円高阻止へ引き続き、欧米との連携を探ることが求められよう。
(2011年11月5日01時46分 読売新聞)
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