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やっち日記

たま~に、てきと~に思ったことを書こうと思います

 
2008-10-21

月にいるうさぎ

カテゴリー: 日記

今は昔の今昔物語にこんなお話がありました

今は昔、天竺(インド)に兎・狐・猿の三匹の獣がいた。
「我等は前世で生物を哀れまず、財産を惜しんで他人に施さなかったので、地獄に堕ちて長い苦しみを受け、それでも罪が消えなかった為に、このように賤しい獣として生まれた。これからはこの身を捨てる覚悟で善行を行おう」
三匹はお互いを親兄弟の様に敬い、他の二匹の事を優先させました。
これを知った帝釈天は下界に下り、三匹の前に弱々しい老人に化けて現れました。
そして三匹に助けを求めたそうです。

三匹は老人の為に食べ物を探しました。
猿は木の実を、狐は魚を、しかし兎は何も見つける事ができませんでした。

「老人を養う為に食べ物を探し歩いたが、野山はとても危険だ。このままでは人や獣に襲われて食べられてしまうだろう――」
 兎はある決心を胸に、老人の元に行きこう言った。
「わたしはこれからおいしい食事を探してきます。焚き木を拾って火を起こし待っていて下さい」
 猿が枯れ木を拾い集め、狐がそれに火を付けて、何かを見つけて帰ってくるかもしれないと期待して待っていると、いつものように兎が手ぶらで戻ってきた。
 猿と狐はこの様を見て憤慨した。
「お前は一体何を持って来たと言うんだ。――全く予想通りの結果だ。嘘を言って人を騙し、木を拾わせて火を焚かせて暖を取ろうというつもりか。憎たらしい奴め!」
 兎は首を振った。
「……確かにわたしは食べ物を持ってくる力がありませんでした。ですから、このわたしの身を焼いてお食べ下さい」
 そう言って、火の中に踊り入って焼け死んでしまった。
帝釈天は元の姿に戻ると、全ての生き物達に兎の行動を見せる為に、焼け死んだ姿を月の中に移した。
 今でも月の表面に雲のようなものがあるのは、この兎の焼け死んだ煙である。また月の中に兎がいるというのはこの兎の事である。全ての人は月を見る度にこの兎の行動を思い出すべきである。

と言う悲しいお話が今の日本人の月には兎のイメージを創っているのである