暑中見舞いとしては珍しく手紙が届いた。 以前の会社の後輩で年に一度年賀はがきを取り交わす程度の付き合いだ。 年賀はがきといっても、根っからの不精ものなので相手からのはがきを受け返信するばかりだが・・・ 送り主とは年に数回電話を交わす関係でだったが、年々こちらが素っ気無くなって今でははがきにお互いの近況報告を書き記しているのみだ。 現在、彼は地元である関西に戻って波乱万丈?の生活を送っている。 結婚当初は1児をもうけ夫婦関係はうまくいっていたが、そのうち別居生活を送るようになった。 もともと男性としては気の優しい性格の方で、本人談によると奥さんは税務署勤めで、かなりきつい性格で精神的にまいってたらしい。 そのうち入院するようになり別居に至ったとのことで10年以上離婚をめぐって裁判・調停を繰り返し、ようやく数年前に長年の終止符がついた。 (当初彼曰く、長年別居状態で離婚したいがずっと拒絶されていたとのこと) その彼の手紙を開けてみると、この度本を出すのでよろしくお願いしますとの内容だった。 なんでも1万人の応募者から選ばれ、全国版で出版されるそうだ。 確かに東京の出版社だがメジャーなところでなく、書版部数の少ない。 書店を覗いて有れば購入も考えたが、どうも地方に置くだけの発行部数はない。 本の内容は本人の臨死体験を交えた手記で、当然近くの書店に置いてあるはずも無く、また興味がない事もあって購入には至らなかった。 この原稿を書く前、彼は何度か自殺を試みているが全て未遂に終わっている。 その原因が悩み事であるのか、病気によるものなのか計り知れない。 しかし生きていれば人生何があるか分からない。 最近いじめの問題による自殺などこの手の話題も多いが、なかなかいい解決方法など見当たらない。 その中で長い目で人生を楽観視したり、今までとは違う方向に発想を切替えたりして人生を楽しんで付き合っていくことも一つの手段ではと考えたりする。 |