美談以外のナニモノでもない。 少年は毎晩仲間達と一緒に 街の人のノドの渇きを潤す『自販機』を 座り込んでまで夜を通して警備していたんだ。 この日もツレの少女と一緒に夜遅いにもかかわらず、 座り込んで道路を通ろうとする人や車をものともせず、 『自販機』を護り続けていたのだろう。 そこに、 のどが渇いてどうしようもない一般庶民の不貞のヤカラ (おそらくは今まで何度も『自販機』にたどり着こうとチャレンジして来たに違いない)、 が道路の反対側からズ~~~~っと機会をうかがっていたが、 ついに武装して攻め込んできたんだ。 そこからの少年の行動が素晴らしいね、 呼んでも答える筈もない『自販機』に向かって 『逃げろッ!!』っと叫ぶ。 『自販機』も戸惑っただろうな、 『・・・言われてもアタシャ自販機ですし・・・。』 少女は走って通報しに行く連絡係を引き受け、 少年は全身に傷を受けながらも、 犯人を『自販機』から70メートルも引き離して息絶えた。 なんて幸せな『自販機』だろう。 そしてなんて勇敢な少年なんだ。 今まで悪いこともしてきたかもしれない、 でも最後は立派に街のノドが渇いた人を潤すための『自販機』を守り抜いて、 あの世へと旅立ったんだ。 少年はきっと街の伝説となり、いつまでも語り継がれる事だろう。 そして『自販機』もいつまでも街の人の渇いたノドを潤すためにそこに立ち続けていることだろう。 少年の死は決してムダではない・・・。 **** :なんで夜中にコンビにでもファミレスでもなく 『自販機前の道路で座ってた』んだろうと考えてたら、 こんな話ができてしまった。 事実とは全く関係ないです。 暗闇には十分気をつけましょう。 ところで 少年は『そないに自販機好きやったん?どのジュースがええんよっ!?』 犯人は『そこまでジュース欲しいんやったらコンビニ行ったらええのに・・・。』 とか、さらにつまらないことも考えてしまいました。 |