私は小学生の頃からほとんどの科目は平均前後で 短距離走と図工ぐらいが出来て取り柄だったのですが 小学5年生ぐらいから急に算数だけが出来るようになり 中学、高校と数学も出来るようになりました 活発なほうでしたが、家に帰るとテレビのチャンネル権争いをするのも 嫌だし、おもちゃなど与えられていなかったため 図書館で借りてきていた本を読んだり 家にあった百科事典をめくったりして過ごす日々でした ですので雰囲気はどちらかというと文科系 そんな私が数学が出来るのが周りの人は不思議に感じられるようでした 当時から私は数学の式を見て「美しい」と自然と声を上げることが ありましたが 得意な人はなんか変な視点で数学を見たりしているのかなとか そもそも数学が出来る人は人間離れをしているとか 変わった人のように思われることも多かったです そのためなかなか数学のものの見方、感じ方が伝わることが ありませんでした。 この「博士が愛した数式」の解説にもありますが 文学と数学の結婚、私の思うところをこのような小説の形で 数学で美しいということはどういうことであるかの 一つの説明をしていただいているような、そんな感じを受けました 数学者やその周辺の方たちが取り組めば きっと数学に距離を置いている人達の心には響かなかったと思います 小説家である著者であるからこそ豊かな状況設定の中で 文学と数学の素敵な結婚が出来たのだと思います そして博士、家政婦、その息子の3人のそれぞれの豊かな心と 他の2人への気遣い、心遣いの描写が読者の心を暖めてくれました |