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帰宅中のバスの中 おばあさんが乗ってきて 鞄の中をガサゴソと 定期入れを探していたけど なかなか見つからないみたいで... そのうちバスは動き出して でもおばあさんは探していて ずーっと探してて それを見かねた近くの男の人が これ使ってくださいって 自分のパスモ差し出して 躊躇するおばあさんに いいから、と笑いながら 危ないから早く座った方がいいですよって なんか....なかなかできないことだよなぁ..... 知り合いでも顔見知りでもない人にそんなこと なんかすごいなぁって...... 胸ん中、あったかい気持ちが湧き上がって 疲れた体と沈んでた心に 優しい気持ちが染み渡っていった... どうしよう なんだかすごい嬉しくなって 優しい人は、いっぱいいる やっぱり世界は素敵だと思うんだ |
何故だか突然 切ない過去の映像が 頭に浮かんだ 気付くと涙がでてて 胸がどうしようもないくらいに切なかった あのときの笑顔 私を呼ぶ声 優しげな眼差し その姿 今はもう、重なる部分はほとんどなく あの頃とまるで変わった姿 老いとは 忘れていく病とは なんて残酷なんだと思う それでも微笑うから... いろんなことを忘れていきながら 穏やかに子どものように微笑うから 時々胸が苦しくなるんだよ.... だけど元気で今も微笑っていてくれるから それでいいんだ それだけで充分なんだ... |
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